10月16日から第20回党大会が始まるが、習近平三期目は既定路線としても、習近平がなぜ三期目を目指すのかを正確に分析しないと中国政治の現在と未来を見誤ってしまう。それを避けるために考察を試みる。
◆多数決議決のため政治局常務委員会委員数は「奇数」が原則
中国共産党全国代表大会(党大会)は5年に一回開く決まりになっているが、今年10月16日から第20回党大会が北京で開催される。9千万人以上いる党……
9月2日と3日、中露海軍が北海道沖の日本海で軍事演習をした。日本降伏文書署名の9月2日と対日戦勝記念日9月3日に合わせた「脅し」と見ていいだろう。対日戦勝記念日に対する中露の扱いに関して考察する。
◆9月2日と3日に中露両軍が日本海で軍事演習
4年に一度開催されるロシアの軍事演習「ボストーク2022」が9月1日から始まった。これまではモンゴルと中国を誘うくらいだったのだが、今年は13ヵ国が参加……
ゴルバチョフにより中ソ対立は解消したが、同時にゴルバチョフは世界最大の共産主義国家・ソ連を崩壊させた人物として中国の指導者は「第二のゴルバチョフにだけはなってはならない」ということを大原則にしてきた。
◆天安門事件進行中に訪中したゴルバチョフ
中国と旧ソ連は1950年代半ばのフルシチョフ(第一書記)によるスターリン批判以来険悪な関係となり、長きにわたって中ソ対立が続いていたが、1985年3月に……
中国社会科学院・哲学研究所で研究員をしていた劉奔教授がある日、同じ中国社会科学院の社会学研究所にいた私に連絡してきた。彼は一時帰国した際に『大地の子』の作者から受けた取材に関して耐えてきた苦悩と疑念を一気に吐露した。
◆私が中国社会科学院・社会学研究所にいたわけ
1990年代初頭、私は文部省(文科省の前身)の科研費の研究代表として北京にいた。中国では調査するときにカウンターパートがいないと調査……
中国税関総署データにはアメリカ製造業の空洞化が表れ、アメリカが常に戦争を煽っていないと困る現状の一端が見えてくる。次に餌食になるのは日本人だ。そのための国際世論をアメリカは必死で形成している。
◆中国の主な貿易相手国/地域
8月30日のコラム<中露貿易の加速化 対露制裁は有効なのか?>で引用した中国の税関総署が8月18日に公開したデータを詳細に分析すると、実に興味深い現象が見えてくる。その基礎……
8月25日、中国商務部は記者会見で中露貿易が勢いを見せていると発言し、事実、データによればロシアからの輸入は前年度比49.2%増となっている。インドの場合は244.35%増だ。これでは対露制裁は無実化しないか?
中露印の連携は軍事面でも強化され、ヴォストーク軍事演習も共同で行う。
◆商務部記者会見:中露貿易を加速化
8月25日、中国政府の商務部は定例記者会見を行った。記者会見では香港南華早報……
2022年台湾観光年
2月下旬のロシアによるウクライナ侵攻以来、かかる侵攻を機にすぐにでも中国が台湾への侵攻を企てるのではないかが大きな話題となった。このような侵略を成功させられるほど、現在の中国人民解放軍に力があると考えるチャイナ・ウォッチャーはほぼいないだろう。とはいえ中国人民解放軍と中国共産党は、戦争も含めあらゆる手段を使ってでも自分たちにとって反逆的な地域を支配下に置きたいという欲望を隠……
53ヵ国を対象としたNATO傘下の世論調査「あなたは自国が民主的だと思うか?」で、中国が世界一となった。その背景には米中関係があるが、統一教会に牛耳られている「日本の選挙と民主」とを比較考察したい。
(本稿では、旧統一教会は「統一教会」と略記する。)
◆「わが国は民主的だ」 世界ランキングで中国が1位
日本では統一教会と自民党議員などとの長きにわたる深い癒着が次々と暴かれ、まるで日本の政治が……
蘇州で和服コスプレ女子が警察に連行され、大連の京都再現街はネットの力で閉鎖に追い込まれた。それでいて岸田首相がクシャミをしただけで習近平・李克強がお見舞いの電報を打つ。そこには思わぬ落とし穴があった。
◆和服コスプレ女子が警察に5時間拘留
今年8月10日、蘇州の淮河町にある和風レストランなどが並ぶ日本情緒街で日本アニメの登場人物の真似をして和服姿で写真を撮っていたコスプレ女子が、いきなり地元警……
北戴河会議後、習近平が遼寧省を視察したのは国共内戦の分岐点「遼瀋戦役」を強調するためで、その背後には台湾問題と国民党敗退のきっかけを作った長春の惨劇「チャーズ」がある。「台湾白書」も同時に発布された。
◆習近平が遼寧省視察に行った目的
8月22日のコラム<北戴河会議と習近平第三期>に書いたように、北戴河の会議が終わると、習近平国家主席は8月16日から17日にかけて中国東北の遼寧省を視察した。か……
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