トランプ関税が発表されたあとの今年4月9日から23日にかけて、デンマークに根拠地を置くシンクタンク「アライアンス・オブ・デモクラシーズ(Alliance of Democracies=AoD)」(創設者はNATO元理事長)が世界100ヵ国11万1,273人を対象に意識調査を行なった(調査の実施自体はNira Dataに依頼)。そのデータDPI2025が5月12日に発表された。ただし、このリンク先か……
5月12日、米中関税交渉の結果、互いに90日間115%もの関税引き下げを行うという劇的な発表があった。5月7日にトランプ大統領は対中関税145%を引き下げるかと聞かれ「ノー!」と断言し、その2日後の5月9日には「80%まで引き下げるのが適当かもしれない。ベッセント次第だが」と投稿したばかりだ。喧嘩を吹っ掛けた方から引き下げるとは言えないので、ベッセント財務長官のせいにして、その実、トランプは切羽詰……
反ファシスト戦勝80周年記念祭典に出席するためモスクワを訪問した習近平国家主席は5月8日、プーチン大統領と会談し共同声明を発表した。その中で日本が第二次世界大戦に関して「歴史改ざんをしている」と非難しているが、歴史を改ざんしているのは中国共産党だ。日中戦争中、毛沢東は国民党軍を率いる蒋介石を打倒するため、日本軍と共謀すべく日本の在外公館に中共スパイを派遣したことは、今では知らない人は少ないのではな……
米国の海外軍事基地の数え方にはさまざまあり分類の仕方によって違うが、「128ヵ所」という数え方と「562ヵ所」という数え方がある。いずれにしても地球上で米軍だけが突出して多く、中国はジブチ「1ヵ所」しか持っていない。
したがって中国による「軍事的世界制覇」はあり得ないと考えるのが妥当だろう。その代わりに中国は貿易で世界を制覇しようとしている。
トランプ大統領がまるで「世界の王様」気取りで全世……
中国は建国以来、アフリカとの関係を重んじ、緊密度を深めてきた。そこにトランプ1.0の時の2018年にトランプ大統領がアフリカを「肥だめ」呼ばわりして完全に中国の方にアフリカを押しやっている。トランプ2.0ではトランプ関税と、意外なことに、イーロン・マスクの存在がアフリカを徹底して中国に近づける役割を果たしてしまった。
その現状分析と謎解きをしたい。
◆イーロン・マスクとトランプがアフリカでGD……
習近平国家主席にとってEUとの投資協定である「中欧投資協定」は長いこと悲願だった。しかしバイデン政権の介入や中国の安価なEVの「津波」によって挫折し、EUは2024年10月にEVに関する対中関税を決定。両者の関係は冷え込んでいた。
ところが「トランプ関税」がEUにも圧し掛かってきたことによってEUの対中姿勢は一転。EVに対する対中関税を撤廃し、価格協定で折り合う方向に動き始めた。実は2021年に……
石破首相は4月30日、東南アジア歴訪を終えて帰国した。石破政権発足以来、二回目の東南アジア訪問で、東南アジア重視が目立つ。
習近平国家主席も4月14日から東南アジアを歴訪している。トランプ関税に報復関税を宣言した数少ない国として、東南アジアを味方につけておくことが目的だろう。
トランプ大統領は東南アジアに関心が薄いにもかかわらず、相互関税に関してだけは非常に厳しい数値を出しているので、東南アジ……
解放の日
トランプ大統領の「関税愛」は今に始まったことではない。トランプ氏は1980年代以来、アメリカを利用していると彼が見なす国々に対抗する手段として、関税の活用を一貫して訴えてきた。「日本株式会社」の台頭が米国企業を圧倒すると政財界のエリートが危惧していた1980年代当時、トランプ氏がターゲットにしたいと考えていたのは日本だった。それから40年が経ち、トランプ氏は全世界に戦いを挑んでいるが、……
トランプ大統領は黒字の対米貿易国すべてが米国に貿易赤字をもたらしたとして4月2日に相互関税を課すと発表した。報復関税を宣言した国・地域には厳罰が待っているとしたにもかかわらず、中国が報復関税をかけてきたため、今ではあたかも米中関税合戦の様相を呈しているが、トランプ関税は同盟国をも含めたすべての対米貿易黒字国を相手にしているので、決して中国にターゲットを絞ったものではない。
しかし、米国の貿易赤字……
(本文末尾にTSMC海外工場に関する追記があります。4月24日加筆)
4月15日、米紙ウォールストリート・ジャーナルが<米国は関税交渉を利用して中国を孤立させる計画>(有料)という見出しの記事を報道した。要は中国に不利な貿易を実行すれば、「トランプ関税」のディールで「あなたの国の関税を緩和してあげますよ」ということだ。
これに関連した記者の質問に回答する形で、中国商務部は「そのような事態が発生……
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