前回と変わらない刺激策
1カ月前の本コラムでは中国経済の不透明さについて論じた。データの隠蔽や秘匿が日常的に行われ不信感が蔓延するなか、中国経済では実際のところ何が起きているのか。一つ確かなのは、経済が低迷し、今年の政府成長目標達成の見通しが立たないことである。そして、データの公表と公の場の議論に対する締め付けが厳しくなったのもそれが一因だ。国内外の多くの人々が金融緩和策を望んでいたにもかかわら……
自民党が惨敗し、自公連携が過半数を割った。これに関して中国は強い関心を示し、日本メディアや米メディアの転載を主としながら、一斉に報道している。
その中から見えてくるのは「日本に回転ドアのように短命内閣が続けば中国に有利」という視点だ。
◆中共中央宣伝部の管轄下にある中央テレビ局CCTVの速報
中央テレビ局CCTV端末は、28日の午前零時から朝7時にかけて、連続3本も速報で衆院選に関するニ……
深圳にある日本人学校児童が殺害されたり、中国に滞在中の日本人がスパイ容疑で逮捕されたりしたときに、日本政府はただ「甚だ遺憾だ」という遺憾砲を発するか、「毅然とした姿勢で!」といった精神論を発するだけで、実効のある手段を取ったことがない。それは中国に対する「カード(切り札)」を持っていないからだ。
なぜカードを持てないかというと、敗戦後、GHQ(General Headquarters、連合国軍最……
Stimulus as last
A month ago this column discussed the opacity of the Chinese economy. What was really going on with the Chinse economy as data was suppressed and secrecy and suspicious became the n……
10月10日の李強・石破会談で、石破首相は李強首相に対し、台湾問題に関し「日本は日中共同声明で定められた立場を堅持する」と明言した上で、「中国とともに挑発に対応する」と付け加え、中国側を喜ばせた。
しかし、日本メディアでは一切そういう報道はない。そこで、誰がどこで石破発言を隠したのかを調べてみたところ、なんと日本の外務省ウェブサイトにおける「日中首脳会談」の記述では、中国外交部に明示してある「日……
双十節(10月10日)における台湾の頼清徳総統の独立志向演説を受けて、10月14日早朝、中国人民解放軍は大規模軍事演習「連合利剣ー2024B」を実施した。これは台湾独立派に対する警告で、台湾包囲作戦の一環であったが、同時に、石破首相の対中包囲網「アジア版NATO」に対する警告でもあったことが見えてきた。
中米の奇妙な接近も気になるところだ。
◆解放軍の大規模軍事演習は台湾包囲作戦の……
中国共産党機関紙「人民日報」の姉妹版「環球時報」や青年版「中国青年報」が一斉に「アジア版NATO」に対するASEAN諸国の反応を報道した。石破・李強会談を経て、自信を強めたという勢いが読み取れる。二紙の考察と中国ネット民の雑感を紹介する。
◆環球時報社評:「アジア版NATO」がASEANで壁にぶつかった事実は何を物語るのか?
10月12日、環球時報は<“亚洲版北约”在东盟碰壁说明什么>(「アジ……
台湾の頼清徳総統は10月10日の「双十節」(建国記念日)式典演説で「中国には台湾を代表する権利はない」などと表明した。中国(大陸)はこれを「新二国論」として激しい抗議を展開している。台湾内でも国民党の馬英九元総統は事前に公表されていた頼清徳総統の主張に反対し、建国記念日祭典の出席を拒絶した。
そのような中、石破首相が李強首相との会談で「台湾問題は日中共同声明を堅持」(=独立反対)と明言したことが……
10月10日にラオスで中国の李強首相と会談した石破首相は、自分は田中角栄元首相の愛弟子だとして「日中友好」を重んじ、何よりも台湾に関して「日本は日中共同声明で定められた立場を堅持する」と誓った。
10月10日の台湾の頼清徳総統の「二国論」演説で激しい批判を展開している中国は、この一言さえ引き出せば、あとはどうでもいいのである。
日本のメディアでは、石破首相が強硬な姿勢で日本側の要求を主張したと……
習近平国家主席が石破首相に祝電を送ったのは毎回のことなので特記するほどのことではない。中国政府側メディアは内政干渉になるとして評価はしないが抗議はする。それらを含めて中国が全体として石破首相の誕生をどう思っているかに関して考察を試みる。
◆習近平国家主席の石破首相に対する祝電
10月1日、習近平国家主席は石破茂首相に祝電を送り、日中は一衣帯水の隣国であると指摘した上で、「両国……
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