ゴルバチョフにより中ソ対立は解消したが、同時にゴルバチョフは世界最大の共産主義国家・ソ連を崩壊させた人物として中国の指導者は「第二のゴルバチョフにだけはなってはならない」ということを大原則にしてきた。
◆天安門事件進行中に訪中したゴルバチョフ
中国と旧ソ連は1950年代半ばのフルシチョフ(第一書記)によるスターリン批判以来険悪な関係となり、長きにわたって中ソ対立が続いていたが、1985年3月に……
中国社会科学院・哲学研究所で研究員をしていた劉奔教授がある日、同じ中国社会科学院の社会学研究所にいた私に連絡してきた。彼は一時帰国した際に『大地の子』の作者から受けた取材に関して耐えてきた苦悩と疑念を一気に吐露した。
◆私が中国社会科学院・社会学研究所にいたわけ
1990年代初頭、私は文部省(文科省の前身)の科研費の研究代表として北京にいた。中国では調査するときにカウンターパートがいないと調査……
中国税関総署データにはアメリカ製造業の空洞化が表れ、アメリカが常に戦争を煽っていないと困る現状の一端が見えてくる。次に餌食になるのは日本人だ。そのための国際世論をアメリカは必死で形成している。
◆中国の主な貿易相手国/地域
8月30日のコラム<中露貿易の加速化 対露制裁は有効なのか?>で引用した中国の税関総署が8月18日に公開したデータを詳細に分析すると、実に興味深い現象が見えてくる。その基礎……
8月25日、中国商務部は記者会見で中露貿易が勢いを見せていると発言し、事実、データによればロシアからの輸入は前年度比49.2%増となっている。インドの場合は244.35%増だ。これでは対露制裁は無実化しないか?
中露印の連携は軍事面でも強化され、ヴォストーク軍事演習も共同で行う。
◆商務部記者会見:中露貿易を加速化
8月25日、中国政府の商務部は定例記者会見を行った。記者会見では香港南華早報……
2022年台湾観光年
2月下旬のロシアによるウクライナ侵攻以来、かかる侵攻を機にすぐにでも中国が台湾への侵攻を企てるのではないかが大きな話題となった。このような侵略を成功させられるほど、現在の中国人民解放軍に力があると考えるチャイナ・ウォッチャーはほぼいないだろう。とはいえ中国人民解放軍と中国共産党は、戦争も含めあらゆる手段を使ってでも自分たちにとって反逆的な地域を支配下に置きたいという欲望を隠……
53ヵ国を対象としたNATO傘下の世論調査「あなたは自国が民主的だと思うか?」で、中国が世界一となった。その背景には米中関係があるが、統一教会に牛耳られている「日本の選挙と民主」とを比較考察したい。
(本稿では、旧統一教会は「統一教会」と略記する。)
◆「わが国は民主的だ」 世界ランキングで中国が1位
日本では統一教会と自民党議員などとの長きにわたる深い癒着が次々と暴かれ、まるで日本の政治が……
蘇州で和服コスプレ女子が警察に連行され、大連の京都再現街はネットの力で閉鎖に追い込まれた。それでいて岸田首相がクシャミをしただけで習近平・李克強がお見舞いの電報を打つ。そこには思わぬ落とし穴があった。
◆和服コスプレ女子が警察に5時間拘留
今年8月10日、蘇州の淮河町にある和風レストランなどが並ぶ日本情緒街で日本アニメの登場人物の真似をして和服姿で写真を撮っていたコスプレ女子が、いきなり地元警……
北戴河会議後、習近平が遼寧省を視察したのは国共内戦の分岐点「遼瀋戦役」を強調するためで、その背後には台湾問題と国民党敗退のきっかけを作った長春の惨劇「チャーズ」がある。「台湾白書」も同時に発布された。
◆習近平が遼寧省視察に行った目的
8月22日のコラム<北戴河会議と習近平第三期>に書いたように、北戴河の会議が終わると、習近平国家主席は8月16日から17日にかけて中国東北の遼寧省を視察した。か……
北戴河会議終了を受け、習近平三期目に対する否定願望からか、日本のネットで多くのフェイクニュースが飛び交っている。講演をした聴衆から二つの関連記事に関して質問された。長いのでコラムで間違いを指摘したい。
◆北戴河会議の位置づけと今年の時期
北戴河の会議は正式なものでなく、しかも習近平政権に入ってからは、引退した「長老」に口出しをさせないことをモットーとしてきたので、長老を中心とした北戴河の秘密会……
そうでなくとも対ウ支援金の30%しか戦地には届かず汚職にまみれているとみなし始めたアメリカでは、ゼレンスキーの習近平に対する救援表明で、すっかり信頼が揺らいでいる。「笑う習近平」が現実味を帯びだした。
◆習近平に助けを求めたゼレンスキー
8月4日付の香港のSouth China Morning Post(サウスチャイナ・モーニング・ポスト、南華早報)は、ウクライナのゼレンスキー大統領に単独イン……
カテゴリー
最近の投稿
- トランプ氏の第2期政権:米国の価値観の再確認と台湾の戦略的位置づけ
- AI界の革命「中国発ディープシーク生成AI」の衝撃 トランプ2.0のAI政策を揺るがす
- 米大統領就任前夜に寄せて
- 中国に甘いトランプ大統領 就任式から見える心情と揺れる弱点
- Trump’s Second Term: Reaffirming American Values and Taiwan’s Strategic Position
- Corruption Among Chinese Military Officials: Why is it Concentrated in the Rocket Force?
- On the Eve
- 中国がGDP成長率発表 数値に疑問を呈した中国のエコノミストの正当性は?
- 日本の鉄鋼を潰して中国の世界トップを維持させるバイデン大統領のUSスチール買収禁止令
- 英国の対中政策、苦境の1週間