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1949年10月1日を建国記念日と指定した中国の「国慶節」(写真:ロイター/アフロ)
中国建国記念日「国慶節」祝賀と、毛沢東没後に時間を逆行して強調される「抗日戦争勝利記念式典」の比較
2025-10-02
今年もまた中国の「国慶節大型連休」がやってきた。日本では「国慶節」と聞くと「日本への観光客数」を連鎖反応的に思い浮かべるようだが、この日は中国の建国記念日だ。1949年10月1日に、毛沢東が天安門楼閣で「中華人民共和国(現在の中国)の誕生」を宣言した日を以て「建国記念日」とし、「国慶節」と称している。 毛沢東時代は国慶節だけを祝賀し、抗日戦争勝利日など祝ったこともないのに、1995年に江沢民が「……
中国映画「731」のポスター
映画「731」は日本のバイオハザードや韓国のイカゲームのパクリ ビジネス化する反日映画が犠牲者を愚弄
2025-09-30
中国で9月18日に公開された旧日本軍の731部隊を題材にした映画「731」が、中国のネットで激しい批判に遭っている。それもそのはず。監督の趙林山氏は本来、731部隊とは全く無関係なアクション・スリラーものである『生化啓示録』を制作しようとしていたようだ。『生化啓示録』はカプコン社の「バイオハザード:リベレーションズ」に類似の物だが、もちろんカプコン社のゲームとは違う別の作品だ。ところが制作スタッフ……
台湾で最大野党議員のリコール投票 全選挙区で否決(写真:ロイター/アフロ)
自民党と国民党:長い歴史を誇る2大政党で党首選
2025-09-29
※この論考は9月20日の<From the LDP to the KMT: Leadership Contests of Two Century-Old Parties>の翻訳です。 ほぼ同時期に行われる2つの党首選 日本では自由民主党(自民党)の総裁選が再び行われ、台湾でも国民党の主席選挙が実施される。ともに長い歴史を誇り、それぞれの政治体制の道筋を確立してきた両党が今、まったく異なる岐路に……
毛沢東像(写真:ロイター/アフロ)
1941年5月25日、毛沢東「中国共産党は抗日戦争の中流砥柱(主力)」と発言 その虚構性を解剖する
2025-09-26
習近平国家主席が抗日戦争勝利記念を盛大に祝賀する根拠としている理論は「中国共産党は抗日戦争の中流砥柱(大黒柱、主力)」だ。習近平政権に入ってから盛んに言い始めたのだが、実はこの言葉は1941年5月25日に毛沢東が発信していたことが「毛沢東選集」第三巻(1967年)に書いてある。 それは日本で言うところの「中原会戦」(1941年5月7日~6月15日)、中国語では中条山会戦あるいは晋南(しんなん)会……
上海協力機構首脳会議 中国・天津で開催(写真:新華社/アフロ)
上海協力機構の未来の姿とは
2025-09-22
※この論考は9月15日の<What Is the Future of the Shanghai Cooperation Organization>の翻訳です。   世界的に大きな注目を集める上海協力機構(SCO)だが、この組織の評価については観測筋の間で意見が分かれる。「漠然とした寄り合い」から「NATOのような軍事同盟」、ひいては「新たな国際連合」までと幅広い。前身の上海ファイブが……
白地図に筆者が加筆して作成
「トランプ関税」と習近平「漁夫の利」その3 南米編:勢いづくチャンカイ港と激怒し中国に向かうブラジル
2025-09-19
今年9月17日、ペルーのチャンカイ港に史上最大の中国のRORO(Roll-on/Roll-off)船(遼河口号)が到着し、1700台の自動車を降ろした。「これは南米海上貿易の戦略的ハブとしての役割を果たすことになるだろう」とコンテナ・ニュースは伝えている。 ブラジルの日刊紙「フォリャ・デ・サンパウロ」は、ブラジルと中国が今年7月7日に、「チャンカイ港とブラジルのイリェウス港を結ぶ約4,500キロ……
國史館臺灣文獻館より転載
1940年「台湾軍事機密情報」が日本に与える教訓 「中共軍と日本軍の結託」と「日ソ中立条約の予兆」
2025-09-10
1940年2月16日、台湾の国史館にある機密解除された「台湾軍事機密情報」は、華北にある山西省およびさらに北方の綏遠(すいえん)(現在の内モンゴル自治区)における日本軍と中共軍との間の結託を描き、日ソ中立条約締結の可能性を警戒している。旧ソ連コミンテルンの管轄下にある中共軍は日ソ中立条約により堂々と日本軍と結託できるからだ。 事実、1941年に日本はソ連と日ソ中立条約を締結するが、その結果、中共……
中国・上海 株価の電光掲示板(写真:ロイター/アフロ)
もっと高く、そして遠くへ
2025-09-08
※この論考は8月31日の< Up, Up and Away>の翻訳です。 楽観の理由 習近平氏は現在、先行きをやや楽観しているのではないだろうか。さまざまな問題が彼の思い通りに動いているかという点においては、少なくとも不利には働いていない。米国との貿易戦争では、関税率は依然として高く損害を受けるレベルだとはいえ、ある種の休戦が宣言された。それだけでなく、中国はレアアースのサプライチェーン優位性……
9月3日「抗日戦争勝利80周年記念」軍事パレードに向かう習近平国家主席とプーチン大統領と金正恩総書記。天安門楼閣以外でも仲良し3人組(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)
9月3日「抗日戦争勝利80周年記念」軍事パレードに向かう習近平国家主席とプーチン大統領と金正恩総書記。天安門楼閣以外でも仲良し3人組(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)
「中朝関係ギクシャク論」 日本メディアは韓国・尹元大統領クーデターのための「情報戦」に踊らされていた
2025-09-06
北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記(以後、金正恩)は北京で挙行された「抗日戦争80周年記念」軍事パレードに参加した後、習近平国家主席(以後、習近平)との親密な会談と会食を終えて4日夜に帰国した。 金正恩の訪中を、日本の多くのメディアは「ギクシャクした中朝関係を回復させるため」という趣旨の接頭語を付けて解説しているが、中朝関係は「ギクシャク」していたのだろうか? 本稿では「中朝露韓日」5ヵ国の出来事……
湖南省に聳える毛沢東像(写真:REX/アフロ)
抗日戦争中、中共軍は日本軍と水面下で「不可侵条約」を結んでいた 解除された台湾の機密軍事情報が暴露
2025-09-03
9月1日の論考で<台湾で機密解除 抗日戦争戦場での手書き極秘報告集が暴く「中共軍と日本軍の生々しい共謀」記録発見>と書いたが、この機密解除された同じ記録から、抗日戦争中、中共軍は日本軍と水面下で「不可侵条約」を結んでいたことが判明した。記録の時期は1940年12月。 また、7月10日の論考<習近平、BRICS欠席して抗日戦争「七七事変」を重視 百団大戦跡地訪問し「日本軍との共謀」否定か>で、毛沢……