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欧州委員会委員長フォン・デア・ライエン(写真:ロイター/アフロ)
欧州が抱える中国問題
2025-12-10
※この論考は11月30日の<Europe’s China Problem>の翻訳です。 新たな現実 先月の論考では、混乱を極める英国の対中政策、あるいは政策自体の欠如について取り上げた。英国は10年以上もの間、合理的かつ一貫した対中政策を模索し続けている。コロナ後の世界は大国の勢力圏が再浮上していると言える状況にあり、英国が自らの役割を把握しきれず、中国などの大国に対して持続可能な政策の方向性……
トランプ大統領(写真:ロイター/アフロ)
台湾有事で米軍の援軍はあり得るか? トランプ2.0とバイデン政権の対台湾武器提供の比較から
2025-12-01
11月28日の論考<トランプ氏の習近平・高市両氏への電話目的は「対中ビジネス」 高市政権は未だバイデン政権の対中戦略の中>で、現在のトランプ大統領が台湾有事の際に米軍の援軍を出動させる可能性は低いことを考察したが、実際に台湾に対して支援あるいは売却している米軍兵器の状況を、トランプ2.0とバイデン政権で比較してみた。それによって、万一にも台湾有事が起きたときに米軍が台湾に援軍出動をするか否か、その……
日本の高市総理(写真:つのだよしお/アフロ)
日本の戦略的転換と、インド太平洋抑止に台湾が果たす新たな重要性
2025-11-28
※この論考は11月20日の< Japan’s Strategic Turn and Taiwan’s New Centrality in Indo-Pacific Deterrence>の翻訳です。 I. 高市首相下の日本の戦略的メッセージ 「台湾有事は日本有事」という高市早苗首相の発言は、単に常套句を繰り返したものではなく、日本政府の戦略構想におけるパラダイム転換を示している。歴代政権は地域……
韓国における米中首脳会談後のトランプ大統領と習近平国家主席(習近平の耳元で「習近平愛」を囁くトランプ)(写真:ロイター/アフロ)
トランプ氏の習近平・高市両氏への電話目的は「対中ビジネス」 高市政権は未だバイデン政権の対中戦略の中
2025-11-28
11月24日夜、トランプ大統領が習近平国家主席に電話をして会談した。トランプはトランプ2.0では「習近平愛」を今のところ続けている。バイデン政権の政策を全て覆したいトランプは、バイデン元大統領の対中包囲網的強硬策を撤廃し、どこまでも(今のところ)「習近平愛」に満ちている。 11月5日の論考<トランプが「中国を倒すのではなく協力することでアメリカは強くなる」と発言! これで戦争が避けられる!>でご……
1950年代初期の朝鮮戦争における吉田茂元首相に対する風刺画(中国のウェブサイト百家号より転載)
中国の「高市非難風刺画」は「吉田茂・岸信介」非難風刺画と同じ――そこから見える中国の本気度
2025-11-23
中国が高市総理を非難する風刺画を世界的に数多く発信しているが、その風刺画の手法は、筆者が天津にいた1950年年代に毎日学習させられた「吉田茂とトルーマン&マッカーサー」を非難する風刺画と同じで、1960年代に入った「岸信介」非難風刺画とも同じだ。 当時は紙媒体の「人民日報」や街に貼られたポスターなどが視覚的には主たる媒体だったが、今はネットを通して全世界に拡散させている。 中国が対日攻撃をこの……
G20出席のため南アに向かった高市総理(写真:つのだよしお/アフロ)
中国の高圧的な日本叩きに対して日本が持っているカード
2025-11-22
高市発言に対する中国の高圧的な日本叩きは常軌を逸している。本稿では、「それなら日本には現在どのようなカードがあるか」を中心に考察する。 ◆日本が切れるカード【その1】:半導体製造装置 日本が切れるカードの最強のものは「半導体製造装置」であると言っていいだろう。 2023年9月28日、米連邦議会情報の公式ウェブサイトであるCongress.govは、<半導体とCHIPS法:グローバルな文脈>と……
習近平国家主席(写真:ロイター/アフロ)
高市発言に習近平はなぜここまで激怒するのか? 日本は台湾問題を口実にせず防衛力に戦略を
2025-11-21
11月7日における高市総理の国会答弁に対して習近平が烈火の如く怒っている。そのために中国が次々にくり出す日本叩きカードに関しては広く報道されているし不愉快なので、ここでは触れない。本稿では、「習近平がなぜそこまで激怒しているのか」を考察し、もし日本がどうしても防衛力を強化したいのなら「日本は台湾問題を口実にせずに日本独自の防衛力を強化すべきなのではないか」という論を張りたい。 第二次世界大戦で敗……
2025年 中国共産党 第20期中央委員会第4回総会(4中総会)(写真:新華社/アフロ)
中国の第15次5カ年計画の建議に見る政治経済の転換:成長のナラティブから安全保障を基軸とした統治へ
2025-11-18
※この論考は11月6日の<The Political–Economic Turn in China’s 15th Five-Year Plan Proposal: From Growth Narratives to Security Governance>の翻訳です。 10月28日、新華社は「国民経済・社会発展第15次5カ年計画の策定に関する中共中央の建議」の全文を配信した。国際的な混乱が加速し……
高市内閣における茂木外相(写真:REX/アフロ)
茂木外相の「中国側に適切な対応を求める」対薛剣措置はペテン? まもなく薛剣の任期満了を知っているはず
2025-11-13
茂木外相は訪問先のカナダで、11月12日午後(日本時間13日午前)、薛剣(せつけん)総領事のXへの投稿に関して「日中関係の大きな方向性に影響が出ないように、適切な対応を中国側がとるように強く求めていく」と言ったが、これはペテン師のようなやり方だ。 なぜなら、薛剣が大阪の総領事として赴任したのは2021年6月29日で、今年の11月28日で着任から4年5ヵ月経つことになる。これまで大阪総領事で最も在……
薛剣・駐大阪総領事 大阪総領事館のウェブサイトより
薛剣・大阪総領事に問う:毛沢東や周恩来は「尖閣諸島は日本の領土」とみなしていたのをご存じか?
2025-11-12
11月10日の論考<高市総理に「その汚い首は斬ってやる」と投稿した中国の大阪総領事は国外追放に値するレベル>で書いたように、中国の薛剣(せつけん)駐大阪総領事はXで「敗戦国として果たすべき承服義務を反故にし、国連憲章の旧敵国条項を完全忘却した」と、日本国を口汚く罵っている。 それなら薛剣・大阪総領事に問う。 あなたは毛沢東や周恩来が「尖閣諸島は日本の領土」とみなしていたことをご存じだろうか? ……