台湾の「国史館档案史料文物査詢系統」で、中華民国27年6月(1938年6月)から中華民国33年6月(1944年6月)にかけての抗日戦争での戦場手書き極秘報告集(電報)が機密解除されていたのを発見した。宛先は蒋介石委員長で、書いたのは抗日戦争戦場における国民党側の各戦場現場指令官などである。
戦場において時々刻々変化する中での記録であり、鉛筆で書かれたものが多く、かつ時間節約のためか句読点がないの……
9月3日に北京で挙行される「中国人民抗日戦争・世界反ファシスト戦争勝利80周年記念式典」に北朝鮮の金正恩総書記も参加することがわかった。中露朝という隣接する「非米陣営」の「巨頭」(独裁政権トリオ?)が一堂に会するのは異例なことだ。
皮肉にもこの3人はトランプ大統領が「会いたがっている」リーダー集団でもある。
おまけに「反ファシスト戦争勝利」と言うなら、旧ソ連を別とすれば、アメリカやドイツ・イタ……
トランプ関税により中国の習近平が「漁夫の利」を得ていることに関して、今回はアフリカを対象として考察する。
トランプ1.0(2017年~2021年)のときに激しい制裁を受けた習近平政権は、アメリカを消費対象国としていたことから離脱し、アメリカ以外の国へとシフトしていった。中でもアフリカの購買欲を成長させるという戦略に早くから出ており、それはトランプ2.0の高関税により一気に加速している。
たとえ……
8月24日、日本の共同通信は<中国の抗日行事に「参加自粛を」 日本政府、各国に呼びかけ>という見出しでハッとするような報道をした。日本政府が「遺憾砲」以外に、こうして具体的に「参加自粛」を欧州やアジア各国に外交ルートを通して呼びかけたことなど、未だかつて聞いたことがないように思う。正直、「石破政権、なかなかやるじゃないか」と思った。
可能ならば、なぜ「抗日行事」が始まったのかを直視し、中国共産党……
トランプ大統領は非常事態宣言をすることによって米議会を通さずにSNSと大統領令に基づいてのみ対米貿易相手国に高関税を宣言してきた。7月31日の大統領令では「中国以外の対米貿易国に対する関税」を公表。8月7日から実施されている。
中国だけが優遇されて関税賦課猶予期間を11月10日まで延期されているのは、たとえば4月13日の論考<米軍武器の部品は中国製品! トランプ急遽その部品の関税免除>や4月16……
8月20日から横浜市で開催されていた「第9回アフリカ開発会議」(TICAD9)が22日に「横浜宣言」を採択して閉幕した。宣言では石破首相が打ち出したという新構想「インド洋・アフリカ経済圏イニシアチブ」の理念が盛り込まれているようだが、バイデン政権時代のアメリカ同様、何やら習近平が提唱した「一帯一路」構想および「グローバル発展」イニシアチブを彷彿とさせる。事実、日本の報道でも「域内で影響力を強める中……
トランプ大統領は8月6日、「海外から米国が輸入する半導体に約100%の関税を課す」と表明した。但し「米国内で生産を約束している場合あるいは米国内ですでに生産中の場合は、関税は課されない」という条件が付いている。
目的は「米国における半導体産業を復活させること」なのだが、海外からの輸入を喰いとめて、海外の半導体企業を(力づくで)米国に移転させ米国で半導体を製造させることによって「米国の半導体産業を……
頼清徳総統が率いる政権は、未曾有の内外の圧力に直面し、岐路に立たされている。世界経済の変動と国内政治の混乱の高まりの中で、頼政権は経済・政治・環境危機の嵐を乗り越えなければならない。本稿では、特に貿易、政治、気候変動の分野で、頼清徳政権がこれらの課題にどのように対応しているかを分析する。
1.外部からの圧力と経済的課題
頼清徳政権が直面する最初の大きな外圧は、世界貿易環境の変化と、グローバルサ……
中国の勢力圏とは?
ドナルド・トランプ氏は自らの政権がこれまでで最も優れており、発足後100日間あるいは6カ月間でほかのどの政権より多くのことを成し遂げたと主張する。彼の言っていることはある意味正しい。米連邦政府の解体とそれがもたらす影響は今後、何百万人もの米国人に多大な影響を及ぼすことになり、完全に元通りになることはないだろう。外交関係を見ても、伝統的な同盟国や正式な同盟関係に背を向けたことは……
※この論考は7月24日の<EU and China Amidst Geopolitical Chaos >の翻訳です。
2025年7月24日の北京は重苦しい空気に包まれるだろう。それは決して夏の湿度のせいだけではない。EU・中国首脳会談が開かれ、欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長と欧州理事会のアントニオ・コスタ議長が、中国の習近平主席および李強首相と膝を交えて話し……
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