昨年、中央党校の元教授・蔡霞氏が在米中に「習近平がいなくなれば中国共産党は良い党になれる」と発言したが、そうだろうか?彼女は天安門事件まで人民を殺害するのは日本軍と国民党軍だけだと思っていたという。
◆元中央党校教授の「習近平さえいなくなれば」の論法
中国共産党員の幹部候補生を養成する中国共産党中央委員会党校(中共中央党校)(略称:中央党校)の退官教授だった蔡霞氏が昨年6月に在米中のある集まり……
紅い革命根拠地を巡って旅をする「紅色旅游」(紅い旅)が中国全土を真っ赤に染めている。2004年に始まったものだが、習近平政権に入って本格化し、建党100周年記念行事として拍車をかけている。
◆なぜ2004年(胡錦涛政権時代)に始まったのか?
中国で最初に「紅色旅游」(紅い旅)指針が発布されたのは2004年12月19日で、胡錦涛政権が始まったばかりのことだ。中共中央弁公庁と国務院弁公庁が共同で「……
最近、北京の中山公園入口にある獅子の石像説明文から「文革中」の3文字が削除されたことが話題になっている。習近平の「毛沢東返り」傾向とともに、この現象をどう解釈すべきかを考察する。
◆中山公園前の説明文から「文革」の文字が消えた
今年5月6日、<中山公園門前の獅子石像の説明文から「文革中」の3文字が消えた>というツイートが発信され話題になっている。「文革」は1966年から76年まで行われた政治運……
台湾の半導体ファウンドリTSMCは世界の半分以上のシェアを占め米中ハイテク戦争の争奪対象となっているが、TSMCはなぜそこまで成功したのだろう。なぜ日本にはその手の企業が出てこないのか。
◆半導体設計と受託製造を切り離す発想
どんな企業にも創業者の苦節物語が背後にあるものだが、今では世界最大手の半導体ファウンドリ(受託製造企業)TSMC(Taiwan Semiconductor Manufac……
5月1日、中共中央政法委員会ウェイボーに中国の宇宙ロケット発射とインドのコロナ犠牲者葬儀の点火の写真が並べて掲載された。あまりの非人道性に中国国内からも非難が殺到。そこには中国の驕りともろさがある。
◆「中国の宇宙ロケット発射点火礼賛」vs.「インドのコロナ犠牲者火葬点火嘲笑」
中国ではメーデーの日として祝福される5月1日、中国共産党中央委員会(中共中央)政法委員会が管轄する新聞ウェブサイト「……
3月から4月にかけて『澳門導報』に掲載された温家宝の母親追憶集が中国のネットから消えた。中国共産党内の条例に基づいて考察するに、温家宝自らが取り下げた可能性が最も高いと判断される。
◆『澳門導報』に掲載された温家宝の追憶集の問題点
今年3月25日から4月15日にかけて、『澳門導報』に【清明追憶】我的母親(私の母親) というタイトルで、温家宝前国務院総理が自分の母親を追悼する追憶集が4回にわたっ……
1996年3月19日に江沢民は中共中央政治局発【1996】7号文件を発布し実行したが、それこそが今日に至るウイグル人「ジェノサイド」の原型になっている。実態をたどると結果的に日本が後押ししたことが見えてくる。
◆【1996】7号文件が出てきた経緯
1996年3月5日から17日にかけて、北京の人民大会堂で全国人民代表大会(全人代)が開催された。この全人代では第9次五ヵ年計画が発布されて「今後5年……
中国が堂々とウイグル人弾圧を強化できたのは、2002年にアメリカが中国にイラク制裁を認めさせる代わりに、ウイグル人を弾圧するための東トルキスタン・イスラム組織の存在をアメリカに認めさせるという契約を交わしたからだ。
◆「9・11事件」で接近した米中
2001年9月11日にニューヨークで同時多発テロ事件(9・11事件)が発生すると、紆余曲折を経ながらアメリカはテロ事件の首謀組織であるアルカイダと……
アメリカの台湾融和政策は、台頭する中国を抑え込むことが主目的だが、中でもハイテク競争において中国に負けてはならないという強い動機がある。世界最大手の台湾の半導体ファウンドリTSMCを中心に考察する。
◆トランプ政権が台湾に手を差し伸べたのはファーウェイへの制裁が始まり
そもそもトランプ前大統領が台湾に温かなエールを送り始めたきっかけは、何としても中国のハイテク国家戦略「中国製造2025」を潰し……
4月22日、習近平は米国主催の気候変動サミットに参加したが、参加の決断は16日に下しており、19日迄にプーチンにも誘いをかけたと判断される。パリ協定「出戻り」の米国に主導権を渡すまいとした狙いが見える。
◆「歓迎する」という言葉が欲しかったケリー特使
4月13日のコラム<ケリー特使訪中――アメリカ対中強硬の本気度と中国の反応>に書いたように、ケリー特使(気候変動問題担当)が就任と同時に中国の解……
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