巷では、習近平失脚説あるいは早期引退説が流れている。その根拠として、
根拠1:BRICS首脳会議を欠席したくらいだから健康状態が良くない
根拠2:中共中央軍事委員会委員の欠員は習近平弱体化の象徴
根拠3:「中共中央政策決定議事協調機構工作条例」を審議することにより習近平自身の権力を制限
などが挙げられている。この説を象徴するような番組が日本で報道されているのをネットで知った。7……
7月7日は盧溝橋事件の日だ。1937年7月7日に北京の西南方向にある盧溝橋において日本軍と中国国民党軍との間で起きた衝突事件で、中国では「七七事変」と呼ぶ。今年は抗日戦争勝利80周年であることから、習近平国家主席としては抗日戦争に関わる行事を最優先として動いている。
そのため日程が重なってしまったBRICS首脳会談を欠席したのだが、どうやら日本には、たとえば<中国・習近平、BRICSサミット欠席……
7月4日、ニューヨーク・タイムズはHow Trump’s ‘Big, Beautiful Bill’ Will Make China Great Again(トランプの「大きく美しい法案」は、いかに中国を再び偉大にさせるか)という見出しの報道をした。それによればこれほどまでにアメリカを傷つける「自傷行為」は考えられないほどで、世界でこの法案可決を喜んでいるのはアメリカの共和党と中国共産党だけだろう……
6月21日、ドナルド・トランプ大統領は戦争相手国ではないイランの地下核施設をいきなり爆撃した。国際法違反であることを責める声は小さく、これによりイスラエル・イラン戦争が停戦したとして誇らしげだ。
しかし高濃度ウランや遠心分離機などの被害は大きくなく、イランは半年もすれば核開発に再着手するだろうと言われている。そうなると再度のイラン爆撃をトランプはすると言っているが、それで「停戦」が維持できるかと……
アメリカのドナルド・トランプ大統領はイランの地下核施設への爆撃を、日本への原爆投下と比較しながら、「広島の例は使いたくない。長崎の例も使いたくない。しかし、本質的には同じことだ。あれが、あの戦争を終わらせたのだ」と正当化した。6月25日、NATO首脳会議が行われているオランダ・ハーグでの記者会見でのことだ。
日本が戦争を起こしたことはまちがいのない事実ではあるが、広島・長崎に原爆を落とされたこと……
トランプ大統領がイランの核施設を爆撃した。あれだけウクライナ戦争はバイデンが起こしたと断罪して戦争を嫌ったはずのトランプが、なぜ自ら軍事力で他国の主権を侵害する道を選んだのか?
イランはどのようなことがあっても、最終的には復讐の決意を強めるだろう。
トランプにとって最も大きな痛手となり得るのは、IAEA(International Atomic Energy Agency=国際原子力機関)が爆……
トランプ大統領がイスラエルを支援してイラン攻撃に参加するか否かに関して世界の関心が集まっている。習近平国家主席はプーチン大統領と電話会談をして「外交努力を」と通り一遍のことを言うのがせいぜいのところだろうと思う人が多いだろうが、どうやら、とんでもない「手」を打っているようだ。
先のインド・パキスタン戦争で、「トランプが停戦をさせた」ような話が出ていたが、実はインドが使ったフランス製の戦闘機が、パ……
5月22日、米政権がハーバード大学にいる留学生や訪問学者を大学から追放し、同大学の留学生および訪問学者の受け入れ資格を取り消すと宣言すると、中国は素早く動いた。香港やマカオの大学にハーバード大学にいる留学生を破格的な好条件で受け入れると宣言させたのだ。すでに数十名のハーバード大留学生からの問い合わせが来ていると香港メディアは伝えている(国籍は不明)。
中国のネットでは、「トランプが中国を再び建国……
(5月26日加筆:トランプ大統領は本来「反ユダヤ主義」排除を目的としてハーバード大学から「全ての留学生の受け入れ認定資格を取り消す」という意思表明をしていたのだが、それではアメリカ国民からの反発が大きすぎることを知り、「反中・反共」という理由を後付けした。本稿は読者がそれを分かっているものという前提の下で5月25日に公開したが、必ずしも理解していない読者が多いことが判明したので、25日に公表した3……
5月19日、日テレニュースNNNが<「台湾統一」へ中国の“戦略” 砂漠にナゾの建物…意味するのは?【バンキシャ!】>という見出しの報道をした。「砂漠にナゾの建物」というのは、1年ほど前に台湾メディアが盛んに報道した情報なので、あの話とは違う新しい情報かと思い、その「ナゾの建物」だけに焦点を当てて、ネットで【バンキシャ!】を見てみた。
すると何のことはない、1年前の台湾メディアの焼き写しだし、台湾……
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