言語別アーカイブ
基本操作
タリバンがアフガン政権掌握 首都空港を管理下に(写真:ロイター/アフロ)
タリバン勝利の裏に習近平のシナリオーー分岐点は2016年
2021-09-06
タリバン勝利の舞台裏には習近平が描いたシナリオがある。きっかけは2016年における米軍によるタリバンのマンスール師暗殺だ。トランプ前大統領に米軍撤退を決意させるまでの、習近平の周到な戦略を考察する。 ◆2016年、マンスール師殺害で中国に助力を求めたタリバン 2016年5月21日、まだオバマ政権下にあったアメリカ軍は、アフガニスタンとパキスタンの国境地帯で、当時のタリバンの最高指導者だったマン……
タリバンがアフガン政権掌握 米軍撤退で首都に祝砲(写真:Abaca/アフロ)
タリバンがアフガン政権掌握 米軍撤退で首都に祝砲(写真:Abaca/アフロ)
独立の祝砲に沸くタリバンに中国はどう向き合うのか?
2021-09-01
米軍が最終撤退した瞬間、タリバンは独立の雄たけびを上げて祝砲を鳴らし続けた。中国の第一報はこの場面と、国連安保理対タリバン決議に対する中露の棄権だった。中国は今後どのようにタリバンと向き合うのか? ◆アフガンの夜空に轟く祝砲を報道した中国 8月31日未明、米軍を載せた最後の一機がカブール空港を飛び立った瞬間、カブール空港はタリバンの管轄下に入り、タリバン軍は勝利の雄たけびを上げた。 曳光弾(……
アフガニスタン最大の米軍のバグラム空軍基地(2014年)(写真:AP/アフロ)
アフガニスタン最大の米軍のバグラム空軍基地(2014年)(写真:AP/アフロ)
米軍のバグラム空軍基地放棄がテロを世界に拡散させる
2021-08-30
中国ではタリバンの治安に関心が集まっており、米軍がバグラム基地を放棄したことがテロ拡散を招いたとする米共和党議員やペンタゴンの発言に基づいて報道している。英語の原文(日本語版を含む)にも当たって真相を解明したい。 ◆米軍によるバグラム空軍基地放棄に関する中国での報道 8月29日のお昼のニュースで、中国共産党が管轄する中央テレビ局CCTV国際は、 <米共和党員は、カブール空港での爆発事件に関し……
アフガニスタンからの避難民を運ぶ飛行機(提供:U.S. Air Force/ロイター/アフロ)
アフガニスタンからの避難民を運ぶ飛行機(提供:U.S. Air Force/ロイター/アフロ)
まるで敗戦直後の日本軍を奪い合う中共軍――米大使館存続望むタリバン
2021-08-29
敵として戦った米軍に対し、今タリバンはその大使館存続を望み、トルコには空港管理を依頼している。それは日本投降後の中国で、中共軍が日本軍人の技術を奪い合ったことを想起させる。空軍力が欠如していたことも共通している。 ◆タリバンがアフガニスタンのアメリカ大使館存続を望むと表明 アメリカ国務省のプライス報道官は8月27日、タリバンがアメリカ政府に対して、8月末の駐留米軍の撤退期限後もアフガニスタンに……
アフガン首都空港付近で自爆テロ ISが犯行声明(写真:AP/アフロ)
アフガン首都空港付近で自爆テロ ISが犯行声明(写真:AP/アフロ)
タリバンと米軍が「反テロ」で協力か――カブール空港テロと習近平のジレンマ
2021-08-27
中国はタリバンを支援する交換条件としてテロの撲滅を絶対条件とした。今般のテロでタリバン兵士28人が犠牲になっており、タリバンはアメリカと協力してテロ組織をつぶそうとしている。これは習近平に痛手か? ◆カブール空港テロでタリバン戦闘員28人が犠牲 8月26日、アフガニスタンのカブール空港でイスラム過激集団「ISIS(イスラム国)」による自爆テロが起き、85人が死亡したとロイター電が伝えた。それに……
2016年、タリバン平和会談促進のためにアフガン外相と会ったときの王毅外相(写真:ロイター/アフロ)
2016年、タリバン平和会談促進のためにアフガン外相と会ったときの王毅外相(写真:ロイター/アフロ)
「金鉱の上に横たわる貧者」――アフガンに眠る地下資源と中国
2021-08-20
アフガン人を中国では「金鉱の上に横たわる貧者」と称するが、タリバン勝利の前から中国がタリバンと経済協力を誓い合った狙いの一つにアフガンに眠る地下資源がある。これまでの動きと現状を考察してみよう。 ◆アフガンに眠る地下資源の実態 中国の「商務部国際貿易経済合作(協力)研究院・中国駐アフガン大使館商務処・商務部対外投資経済合作司」は2020年、『対外投資合作国別(地区)指南 阿富汗(2020年版)……
タリバンがアフガン政権掌握 世界各地の反応(写真:ロイター/アフロ)
タリバンがアフガン政権掌握 世界各地の反応(写真:ロイター/アフロ)
タリバン政権のテロ復活抑止に関する米中攻防――中露が「テロを許さない」と威嚇する皮肉
2021-08-18
タリバン政権誕生に際して世界が最も心配するのはテロ活動の復活だ。しかし中露が連携してタリバンにテロ活動を許さないと威嚇している。特に中国はウイグル弾圧の口実として「反テロ対策」を強調してきた。それに対してアメリカ(ポンペオ前国務長官)は「テロ組織は既に存在しないことを確認している」として中国のウイグル弾圧を非難してきた。だから中国は何が何でも「テロ活動は許さない」とタリバンに対して叫び続けているの……
アフガン各地でタリバンが攻勢(提供:Taliban/ロイター/アフロ)
アフガン各地でタリバンが攻勢(提供:Taliban/ロイター/アフロ)
タリバンが米中の力関係を逆転させる
2021-08-15
アフガニスタンにタリバン政権が誕生するのは時間の問題だろう。米軍撤収宣言と同時に中国とタリバンは急接近。一帯一路強化だけでなく、ウイグル問題のため習近平はアルカイーダ復活を認めないだろう。となると、アメリカができなかったことを中国が成し遂げ、中国が世界の趨勢を握ることにつながる。 ◆7月28日、タリバンが天津で王毅外相と会談 7月26日にアメリカのシャーマン国務副長官が訪中し、天津で王毅外相ら……
2021年6月28日オンライン形式で開催された中露首脳会談 (写真:新華社/アフロ)
2021年6月28日オンライン形式で開催された中露首脳会談 (写真:新華社/アフロ)
強まる国際社会での対立:新たな二極化世界における露中米の三角関係
2021-08-12
ロシアが「アジア・シフト」政策を打ち出してから7年が経った今、地政学的な情勢は一方にロシアと中国、もう一方に米国が主導する西側という新たな二極化秩序が形成され始めている。ロシアと中国の二国間には多くの問題があるものの、「結束した西側」との対立があるため、両国は接近し、二国間の問題からは当面目をそらしている。しかし、だからといって両国関係に存在する問題がそのまま立ち消えになるわけではない。 中露関……
TOKYO2020の金メダル(写真:ロイター/アフロ)
TOKYO2020の金メダル(写真:ロイター/アフロ)
中国金メダル38でもなお「発展途上国」が鮮明に
2021-08-11
中国は金メダル38で総メダル数88と、アメリカに次ぐ成績を収めたが、その競技種目を詳細に見ることによって「発展途上国」であることが鮮明に浮かび上がった。日本でコロナから目をそらさせるために五輪開催を強行できたのは、日本が発展途上国ではないことも逆に見えてきた。 ◆ウェイボーで「最初に流れるのは中国の国歌で、最初に掲げるのは中国の国旗だ!」 7月23日、東京五輪の開会式が始まり、中国人選手が入場……