トランプ次期大統領(以下、トランプ)は11月25日、中国がフェンタニルをメキシコやカナダに輸出して、アメリカにおけるフェンタニル患者を激増させているとして、大統領就任初日に中国に10%、メキシコとカナダに25%の追加関税を課すと投稿した(中国の場合は「60%+10%=70%」になる)。
これに対しカナダのトルドー首相は11月29日に訪米してトランプと会食し、メキシコのシェインバウム大統領は11……
現地時間11月21日、EUの希望の星であったEV(電気自動車)の車載電池製造会社ノースボルト(northvolt)が破産保護申請をアメリカに申し出た。ノースボルトは中国からの「EVの津波」を回避するために、欧州でEV用電池を製造しようという目的で2016年にスウェーデンに設立された企業だ。EUやアメリカの支援協力も得たが、中国には勝てなかった。
これによりEUのEVに関する対中追加関税の継続的……
米中の新産業力を比較考察する本を執筆する過程で、日本を参考比較対象としてみた。すると、「なぜ日本の製造業はこんなにまで没落してしまったのか」、「なぜNatureの研究者ランキングなどで、日本はここまで低いのか」といった疑問にぶつかった。
そこに共通しているのは「短期的成績が求められるようになったから」という事実で、日本企業の場合、その原因は「物言う株主」(アクティビスト)の存在であること……
中国で相次いでいる無差別殺傷を、日本のメディアでは「社会への報復」と一括りにしてまとめて「得意がる」傾向にある。しかし事件の真相をたどっていけば、その言葉は日本で2008年から流行した「無敵の人」が発端になっていたことがわかる。
中国の場合は鄧小平が号令をかけた「向銭看(シャン・チェン・カン)(銭に向かって進め)」が生んだ社会的病理も混在している。
日本では短絡的に「最近は中国の経済状況……
近年、東アジアの地政学的環境が変化し続けている。中でも注目を集めているのが、台湾海峡における緊張の高まりだ。2025年にドナルド・トランプ氏が米国大統領に返り咲くことが決まり、この地域の環境を一段と複雑なものにしている。台湾の未来は不確かで危機をはらんでいる。米国政権の中国に対する姿勢は予測不能であり、しばしば対立的であることで知られており、台湾は他と一線を画す外交・安全保障面の課題に直面している……
APEC(アジア太平洋経済協力)2024は11月15日と16日にペルーの首都リマで開催され、18日からはブラジルのリオデジャネイロでG20が開催されている。ペルーではAPECが正式に始まる前に習近平国家主席(以下、習近平)はオンラインでペルーのチャンカイ港開港式に出席し存在感をアピールした。ブラジルはBRICS(新興国)の仲間でもあり、習近平はG20でグローバルサウス(新興国&途上国)の支援に向……
11月15日、石破首相はAPEC首脳会議が開催されているペルーのリマで習近平国家主席(以下、習主席)と会談した。11月16日の中国の中央テレビ局CCTVは、リマにおけるリマ以外の出席国との2国間会談に関する報道をしたが、多くの国の中で、石破首相との会談は最後に報道された。
会談冒頭の握手の際に習主席がにこやかに「下午好!」(こんにちは!)と大きな声で挨拶したのに対して、石破首相はニコリともせ……
11月11日夜、広東省珠海市で多数の死傷者を出した暴走車の容疑者が、自殺を図って意識不明なのに、なぜ動機が離婚財産分与への不満と分かったかというと、スマホの中に全ての情報が入っているからだ。事件現場の真横には、離婚後の財産分与訴訟に関して争っている裁判所がある。
日本では中国経済の状況が悪く、貧者が「社会への報復」をしているとして「一党支配体制への不満の爆発」につながるという視点からの情報が……
In recent years, as East Asia's geopolitical landscape continues to evolve, rising tensions in the Taiwan Strait have become a central focus. The potential return of Donald Trump to the U.S. presidenc……
日本のメディアや米国問題研究者の多くは、「ハリスに有利」という米メディアの支持率ばかりを見て、「トランプ圧勝」の予測をする人は、(個別的例外を除けば)ほぼいなかった。
なぜ日本メディアは「ハリス旋風」に目を奪われ、客観的な予測ができなかったのか。
米メディアのほとんどは民主党寄りであるという決定的な欠陥があることに、多くの日本人が気が付いていないからだ。トランプ前大統領が第一次トランプ政権……
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