2月1日、台湾立法院(国会)の院長(議長)選挙で、対中融和的な国民党の韓国瑜氏が当選した。5月20日に発足する親米的な民進党の頼清徳政権にとっては「ねじれ国会」の「ねじれ度」がさらに強くなり、国防予算案などを通しにくくなるだろう。
一方、韓国瑜が当選したのは新立法委員(国会議員)の中にいる2名の無党派が国民党側に付いたからだが、今後の立法院運営(国会運営)では柯文哲氏が率いる民衆党委員(議員)8……
1月26~27日、アメリカのサリバン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)と王毅(中央政治局委員、中央外事工作委員会弁公室主任兼)外交部部長(外相)がタイのバンコクで会談した。イエメンの反政府勢力「フーシ派」の紅海における船舶への攻撃をアメリカは阻止しようとしたが効果なく、背後にいるイランがフーシ派への支援をやめるよう「イランを説得してくれ」と、アメリカが中国に頼んでいるからだ。しかし中国は台湾問題……
1月16日~19日に開催された金融問題に関する中共中央の研討班(=学習会)に李強総理が欠席しダボス会議に参加していたことを以て、習近平国家主席が「李強外しを始めた」という解釈が日本で散見される。しかしこれは中国共産党の政治構造を理解していないことが招いたまちがいだろう。なぜまちがっているのか、真相と論拠を解説したい。
◆習近平による「李強外し」と解釈した日本の中国問題論者たち
1月16日~19……
自民党の裏金・派閥問題が深刻化している。一党支配体制である中国ではどうなのだろうか?民主主義と専制主義における政治体制のメリット・ディメリットを比較考察してみよう。
◆日本の自民党の裏金と党内派閥
自民党の裏金と派閥問題に関しては日本で十分に情報提供されているので、今ここで改めて説明することはしない。しかし何かお役に立つかもしれないので、私が実際に経験した模様から少しだけ状況をご紹介して……
ついに2024年の台湾総統選挙の決着がつき、複雑な政治状況が露わとなった。頼清徳総統候補と蕭美琴副総統候補が率いる与党民進党(DPP)が558万票(40.05%)を獲得して勝利を確実なものにし、これまでの傾向を打ち破り、同じ政党が3期連続で政権に就くことになった。だが、836万人の有権者が頼・蕭コンビを支持しなかったことは注目に値する。総統選で勝利を収めたものの、民進党は立法院議員選挙では敗北を喫……
13日に親米の民進党頼清徳が総統に当選すると、そのお祝いに元米政権幹部から成る非公式代表団が訪台した。習近平は軍事演習で抗議表明をする代わりに、ナウルと国交を樹立し、台湾(中華民国)と断交させた。
その陰でうごめいている奇妙な動きとともに考察したい。
◆訪台した超党派米代表団
1月15日のコラム<どう出る、習近平? 台湾総統選、親米民進党勝利>で、13日に民進党の頼清徳氏が総統に当選したのを……
The 2024 Taiwan election has finally concluded, revealing a complex political landscape. The ruling Democratic Progressive Party (DPP) led by President Lai Ching-te and Vice President Hsiao Bi-khom se……
台湾総統選で親米の民進党・頼清徳氏が勝利した。立法院に関しては国民党が議席を増やしたものの過半数に達せず、1議席しか民進党に勝っていない。「ねじれ国会」は民衆党が国民党側に付くか民進党側に付くかによって方向性が決まる。
中国は頼氏の得票率が40%でしかないことを以て、この選挙結果は台湾の主流世論ではないと主張。これまでの姿勢を変えない構えだ。
国民党の意外な敗因と今後の中台の動向を考察する。
……
習近平国家主席が信頼を寄せていた李尚福元国防部長をはじめ、9名の軍幹部が腐敗問題で失脚したことなどを受け、1月8日、習近平は腐敗や汚職など党規約違反を審議する中央紀律検査委員会全体会議を開いて、党内になお蔓延(はびこ)る腐敗や汚職の一掃を求める談話を発表した。
2013年から始まった激しい反腐敗運動は、特に軍部に蔓延(まんえん)する底なしの腐敗を撲滅して軍のハイテク化を図るためだった。2015年……
昨年末に習近平国家主席は、中央テレビ局CCTVを通して「二〇二四年新年の挨拶」を表明した。その中で台湾問題に関して「祖国統一是歴史必然」(祖国統一は歴史的必然である)と述べている。日本のメディアはこれを以て、習近平は野心家なので台湾統一をしようとしているというニュアンスで「台湾有事」を警戒しているが、「台湾統一」は1950年代に毛沢東が「祖国の使命」として強調したもの。新中国(中華人民共和国)誕生……
カテゴリー
最近の投稿
- A sorry week for Britain’s China Policy
- 中国半導体最前線PartⅣ 半導体微細化「ムーアの法則」破綻の先を狙う中国
- 中国半導体最前線PartⅢ AI半導体GPUで急成長した「中国版NVIDIA」ムーア・スレッド
- 返り咲くトランプ
- 中国半導体最前線PartⅡ ファーウェイのスマホMate70とAI半導体
- 中国半導体最前線PartⅠ アメリカが対中制裁を強化する中、中国半導体輸出額は今年20.6兆円を突破
- 中国メディア、韓国非常戒厳「ソウルの冬」の背景に「傾国の美女」ー愛する女のためなら
- なぜ「日本人の命を人質」にマイナ保険証強制か? 「官公庁の末端入力作業は中国人」と知りながら
- Trump Returns
- フェンタニル理由にトランプ氏対中一律関税70%に ダメージはアメリカに跳ね返るか?