6月15日から16日にかけてスイスでウクライナ戦争の停戦に関して「ロシアの参加を排除したゼレンスキー案」に基づいたウクライナ平和サミットが開かれている。会議にはロシアを参加させないという条件があるため、中国は参加しないと表明していた。
それに対してウクライナのゼレンスキー大統領は6月2日、シンガポールでの「アジア安全保障会議」で「中国がウクライナ平和サミットに参加しないように各国に呼び掛けている……
5月16日に訪中したプーチン大統領は、習近平と12時間にわたって時間を共にしているが、どうやらその間にプーチンが習近平に極秘スパイ情報を渡していたことがのちにわかった。それは中露両国政府を転覆させようとする外国勢力による中露国内におけるスパイ活動のリストらしい。
6月15日から16日にかけてスイスでウクライナ戦争の停戦案に関する会議が開催されるが、ロシアが呼ばれていない上に、中国&ブラジルによる……
6月4日発売の米「タイム」誌の取材でバイデン大統領は「中国がもし台湾を武力攻撃したら米軍が防衛する」と答えた。「防衛する」と言ったのは、これで5回目だ。トランプ前大統領の方は、同様の質問に対して基本的に「ノーコメント」を貫いている。
このことに対する中国大陸と台湾の反応を考察する。
◆「タイム」誌でのバイデンの回答
6月4日発売の米国の「タイム」誌で、バイデンは記者の質問に以下のように回答し……
中国企業バイトダンス(ByteDance)が運営する動画アプリTikTokの米国内でのアプリ配信禁止令法案を超党派で可決しておきながら、バイデン大統領もトランプ前大統領もTikTokのアカウントを持ち、大統領選で若者層を取り込もうと競っている。
禁止令に従わなければ米国に売却しろと言われたTikTok側は、禁止令は憲法に違反しているとして差し止めを求める訴えを起こした。大統領選のためなら、どんな……
6月4日のコラム<台湾抗議デモの背後にAIT(米国在台湾協会)とNED(全米民主主義基金)>に書いたように、野党「国民党&民衆党」が共同で提案していた「国会改革法案」に関して、アメリカ人を中心とした国際学者30人が署名入りで共同声明を出し、それらの法案は違憲だとして激しく批判した。しかし実際は、長年にわたって民進党が同様の法案を立法院に出していた。
それに関して台湾のネットでは大きく騒がれている……
5月21日から高まりを見せた台湾における立法院の国会改革案に反対する抗議デモのきっかけを作ったのは、5月20日に発表された「国際学者30人による共同声明」だった。発表したのは元AIT(American Institute in Taiwan)所長の司徒文(William Anthony Stanton)や民進党議員などによる、立法院での記者会見の場である。
国際学者30人のほとんどはアメリカ人な……
5月30日、北京で「中国アラブ諸国(中ア)協力フォーラム 第十回閣僚級会議」が開催され、習近平国家主席が開幕式で基調講演をした。フォーラムにはアラブ諸国首脳も一部出席して格上げし、2026年に予定している中ア首脳会議の準備に入っている。米一極支配から脱して、グローバルサウスを巻き込み、世界の多極化体制を加速化させることが狙いだ。
◆習近平「中ア運命共同体」を強調
開幕式の基調講演で、習近平は2……
5月13日、アメリカン・エンタープライズ研究所と戦争研究所の共同プロジェクトである台湾連合防衛プロジェクトは、「中国は軍事侵攻ではない形で台湾統一をするつもりで、われわれは長いこと、それを見逃してきた」という趣旨の共同報告書を発表した。同日、アメリカメディアのTHE HILLも「中国は台湾統一をするために(台湾を)侵略する必要はない」というタイトルでこの報告書を報道。
これは正に筆者……
5月20日における「中華民国」台湾の頼清徳総統就任演説は理路整然としていて力強かった。「独立」を越えて「国家主権」を主張した「国家観」は、その是非を別にすれば立派なものである。ただ、1971年10月25日の国連決議【第2758号】に完全に違反しており、中国は激怒し武器のポスターで威嚇すると共に5月23日から24日の日程で実弾を伴わない軍事演習の予告もしている。
◆頼清徳総統の就任演説……
台湾の頼清徳政権が5月20日(月)に誕生する。その前の最後の立法院議会(国会。以後基本的に国会)が開催されたのは5月17日(金)。その日に国会内で過激な暴力による大乱闘が起きた。藍(国民党)白(民衆党)共同作戦と緑(民進党)との間の戦いだ。波乱万丈の国会が頼清徳政権を待っている。
◆5月17日の国会大乱闘事件_格闘技的体力勝負で国会運営するしくみ
野党の国民党と民衆党は、これまでの民進党の国会……
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