中国共産党機関紙「人民日報」の姉妹版「環球時報」や青年版「中国青年報」が一斉に「アジア版NATO」に対するASEAN諸国の反応を報道した。石破・李強会談を経て、自信を強めたという勢いが読み取れる。二紙の考察と中国ネット民の雑感を紹介する。
◆環球時報社評:「アジア版NATO」がASEANで壁にぶつかった事実は何を物語るのか?
10月12日、環球時報は<“亚洲版北约”在东盟碰壁说明什么>(「アジ……
台湾の頼清徳総統は10月10日の「双十節」(建国記念日)式典演説で「中国には台湾を代表する権利はない」などと表明した。中国(大陸)はこれを「新二国論」として激しい抗議を展開している。台湾内でも国民党の馬英九元総統は事前に公表されていた頼清徳総統の主張に反対し、建国記念日祭典の出席を拒絶した。
そのような中、石破首相が李強首相との会談で「台湾問題は日中共同声明を堅持」(=独立反対)と明言したことが……
10月10日にラオスで中国の李強首相と会談した石破首相は、自分は田中角栄元首相の愛弟子だとして「日中友好」を重んじ、何よりも台湾に関して「日本は日中共同声明で定められた立場を堅持する」と誓った。
10月10日の台湾の頼清徳総統の「二国論」演説で激しい批判を展開している中国は、この一言さえ引き出せば、あとはどうでもいいのである。
日本のメディアでは、石破首相が強硬な姿勢で日本側の要求を主張したと……
習近平国家主席が石破首相に祝電を送ったのは毎回のことなので特記するほどのことではない。中国政府側メディアは内政干渉になるとして評価はしないが抗議はする。それらを含めて中国が全体として石破首相の誕生をどう思っているかに関して考察を試みる。
◆習近平国家主席の石破首相に対する祝電
10月1日、習近平国家主席は石破茂首相に祝電を送り、日中は一衣帯水の隣国であると指摘した上で、「両国……
習近平が中共中央総書記になった2012年11月、その寸前まで何があったか、覚えておられる方は多いだろう。破壊の限りを尽くして激しく暴れまくった反日デモは、中国共産党大会開催が困難かと思われるほど9月になっても収まらなかった。
一方で、その頃はまだ、「日本アニメ大好きな中国動漫新人類」がその気持ちのまま日本に憧れ、「中国共産党を精神の軸にすること」からは遥か離れた遠いところにいた。
加えて、20……
9月18日、中国広東省深圳市にある日本人学校の男子児童が中国人男性(44歳)に刃物で襲われ、19日未明に亡くなった。激しい憤りを覚えると同時に、胸が痛んでならない。
犯人・鐘某はその場で取り押さえられ、まちがいなく自分が刃物で刺したことを認めたが、中国の外交部報道官は「どこの国でも起こりうる話だ」、「これは偶発的な出来事だ」と言っている。それは違う。これは起こるべくして起きた事件だ。
6月に中……
自民党総裁候補者が14日、日本記者クラブで討論会を開催。その質疑応答は見ごたえがあった。何名かの立候補者が対中防衛策やデータの絶対的機密性を必要とするマイナンバーなどの実行を強調しておられたが、「日本の官公庁のデータのほとんどは中国人が作成している実態」をご存じだろうか?
防衛や経済安全保障は声高に叫ばれても、誰一人、それを実行するための膨大なデータ作成を誰がやっているかに関する認識はないように……
中国が日本の自民党総裁選をどう思っているかに関する情報は絶対に公開しないし、ネット民にも公開させない。しかし、多くの日本メディアの情報の中で、どの部分を抽出して中国の公的メディアが報道しているかを見ることによって、中国がどう受けとめているかに関して多少の感触を得ることができる。そこで、中国共産党機関紙「人民日報」姉妹版「環球時報」と、中国政府通信社「新華社」の報道を基に中央テレビ局CCTVが報道し……
(文末に追記があります。)
9月3日のコラム<NHK元中国人スタッフ自身が「何を考えていたか」を発信 在日中国人に潜む「次の反乱」に無防備な日本>に書いたように、NHK元中国人スタッフは中国に帰国したあとウェイボーで「現在の日本のメディアは歴史の真実を隠蔽している」と書いている。しかし、中国人のほとんどは「中国共産党こそが歴史の真実を隠蔽していること」を知らない。
本稿では、歴史の真実を隠……
5月31日に靖国神社に落書きをした犯人は、「靖国神社を侮辱する動画を流せば人気が出て、再生数が多くなり金儲けができる」というのが動機だった。
8月19日未明に同じ場所に落書きした模倣犯は仲間に「カッコいいだろ!」と自慢したかったからだ。日本を最大限の形で侮辱したのは「英雄的行為だ」という認識を持っている。
8月19日午後に、その模倣犯の犯行に関するニュースを報道していたNHKの中国人外部スタッ……
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