2月12日に公開された「ミュンヘン安全保障指数2024」の表紙には“Lose-Lose?”という文字が大きく書いてある。これは18日に閉幕したミュンヘン安全保障会議2024に秘められている哲学的軸で、「誰もが損をするゼロサム思考の悪循環から抜け出すには、どうすればいいか」というテーマを指す。
習近平政権の外交戦略は“Win-Win”を軸とした「人類運命共同体」。時代はゆっくり、しかし大きく動き始……
2月16日から18日にかけて開催される「ミュンヘン安全保障会議(MSC)」に先立ち、一般国民の感情を調査した「ミュンヘン安全保障指数(MSI)2024」が2月12日に公表された。それによれば日本以外は中露に対して「大きな脅威を感じていない」という回答が出ている。正確には日英だけが「ロシアを最大の脅威」と感じ、日加(カナダ)を除いた調査対象国の一般市民は「中国にそれほど大きな脅威を感じていない」とい……
今年1月23日、中国大陸のネットに<昨年、米南部国境から入国する中国人が53倍に急増、なぜリスクを冒してまで不法移民をするのか?>というタイトルの記事が現れ注目を集めた。よくよく見れば「南部国境から」と限定的なのだが、それでも何が起きているのか気になる。真相に迫ってみた。
◆英誌『エコノミスト』のリポートの翻訳
冒頭に書いた中国大陸に現れた在米中国人不法移民急増に関する情報は、どうやら1月18……
バイデン大統領が「責任能力の低下と記憶力薄弱」を理由に訴追を免れたという衝撃的なニュースは、世界を嘲笑的に駆け巡り、これで大統領職が務まるのかという懐疑を抱かせている。中国のネットでは「スリーピー・ジョー」(バイデン)という言葉がもてはやされているが、中国共産党管轄下にある中央テレビ局CCTVは、民主党を脱退したロバート・ケネディJr(以下、ケネディJr)の「中東に駐留する米軍は撤退すべきだ」とい……
中国のネットではトランプ(中国語表記:川普)を「川建国」(中国を再建国したトランプ)と呼び、バイデン(中国語表記:拝登)を「拝振華」(中華を振興させたバイデン)と呼んで茶化している。何れも「中国を虐めることによって中国人民の愛国心と団結心を強化してくれた人」という意味だ。
中国政府自身は「内政干渉」として米大統領選に関して沈黙しているが、中国政府の思惑をそれとなく示唆するシンガポール……
2月1日、台湾立法院(国会)の院長(議長)選挙で、対中融和的な国民党の韓国瑜氏が当選した。5月20日に発足する親米的な民進党の頼清徳政権にとっては「ねじれ国会」の「ねじれ度」がさらに強くなり、国防予算案などを通しにくくなるだろう。
一方、韓国瑜が当選したのは新立法委員(国会議員)の中にいる2名の無党派が国民党側に付いたからだが、今後の立法院運営(国会運営)では柯文哲氏が率いる民衆党委員(議員)8……
1月26~27日、アメリカのサリバン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)と王毅(中央政治局委員、中央外事工作委員会弁公室主任兼)外交部部長(外相)がタイのバンコクで会談した。イエメンの反政府勢力「フーシ派」の紅海における船舶への攻撃をアメリカは阻止しようとしたが効果なく、背後にいるイランがフーシ派への支援をやめるよう「イランを説得してくれ」と、アメリカが中国に頼んでいるからだ。しかし中国は台湾問題……
1月16日~19日に開催された金融問題に関する中共中央の研討班(=学習会)に李強総理が欠席しダボス会議に参加していたことを以て、習近平国家主席が「李強外しを始めた」という解釈が日本で散見される。しかしこれは中国共産党の政治構造を理解していないことが招いたまちがいだろう。なぜまちがっているのか、真相と論拠を解説したい。
◆習近平による「李強外し」と解釈した日本の中国問題論者たち
1月16日~19……
自民党の裏金・派閥問題が深刻化している。一党支配体制である中国ではどうなのだろうか?民主主義と専制主義における政治体制のメリット・ディメリットを比較考察してみよう。
◆日本の自民党の裏金と党内派閥
自民党の裏金と派閥問題に関しては日本で十分に情報提供されているので、今ここで改めて説明することはしない。しかし何かお役に立つかもしれないので、私が実際に経験した模様から少しだけ状況をご紹介して……
13日に親米の民進党頼清徳が総統に当選すると、そのお祝いに元米政権幹部から成る非公式代表団が訪台した。習近平は軍事演習で抗議表明をする代わりに、ナウルと国交を樹立し、台湾(中華民国)と断交させた。
その陰でうごめいている奇妙な動きとともに考察したい。
◆訪台した超党派米代表団
1月15日のコラム<どう出る、習近平? 台湾総統選、親米民進党勝利>で、13日に民進党の頼清徳氏が総統に当選したのを……
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