日本時間2月28日夜、ホワイトハウスにおけるゼレンスキー大統領とトランプ大統領の会談が決裂に終わったことは、中露をこの上なく喜ばせた。会談が決裂する数時間前の同じ日、ロシアのショイグ安全保障会議書記は北京詣でをして習近平国家主席と会っていたし、27日には米露代表団がトルコのイスタンブールでウクライナ戦争の停戦交渉をしていた。中露と米露は、それぞれホワイトハウスにおける米ウ(ウクライナ)会談の「リス……
ど派手なショー
ドナルド・トランプ氏はその長い人生の中で数々の役を演じてきたが、本当に成功したのはリアリティ番組『アプレンティス』の中だけである。ここで演じた億万長者の不動産王役は、相次ぐ倒産で請負業者への未払いや巨大プロジェクトの失敗で悪名を馳せた彼の残念な現実より、はるかに上出来であった。そのため、彼の2度目の米国大統領就任がど派手なショーとなっているのも不思議ではない。毎日が政治物のコメデ……
2月24日、プーチン大統領が習近平国家主席に電話をし、中露の緊密さは永遠に変わらないことを誓い合った。トランプ大統領がどんなに対露接近をしても、トランプ政権が終われば、また民主党のNED(全米民主主義基金)を駆使した「民主を掲げながら親米的でない国家や政府を倒す方針」に戻ることが考えられるからだ。したがって中露の緊密度が変わることはない。
一方のトランプは「習近平が大好きだ」と公言している。大……
Every year, China’s Central No. 1 Document sets the tone for national priorities, and 2025 is no exception. The 2025 No. 1 Document, titled “Opinions on Further Deepening Rural Reform and Steadily Adv……
ウクライナ戦争の停戦交渉がウクライナ抜きで行なわれていることにゼレンスキー大統領が激怒し、習近平国家主席に助けを求めた話を2月20日のコラム<「習近平に助けを求める」ゼレンスキー ウクライナを外した米露会談を受け>で書いた。
しかし、もし「ウクライナ抜きの米露のみによる交渉」を「こっそり」トランプに提案していたのが習近平だったとすると、どうなるだろうか?
世界の認識はガラリと変わってくる。……
2月18日、サウジアラビアでウクライナ停戦をめぐる米露政府高官による会談が行なわれた。戦争当事者であるウクライナ抜きだ。これに対してウクライナのゼレンスキー大統領(以下、ゼレンスキー)は激怒し、「中国が停戦交渉に参加することを排除しない」旨の発言をした。
すると中国では早速その発言に対する論考などが数多く出されたが、中でも興味深いのは台湾のテレビ番組「新聞大白話」が「ゼレンスキーは……
The Spectacle
Of Donald Trump’s many roles in his long life the only one where he really was a success was as reality TV star in The Apprentice. Playing the role of a billionaire property tycoon was……
日産&ホンダの経営統合は決裂に終わったが、そもそも統合しなければならないほどの危機に至ったのは、中国のEV(電気自動車)に押されて中国で生き残れなくなったからだ。トヨタは少し違うとしても、EVによって追い詰められた状況は日本車全体に言えることで、中国EVは日本車や在中国の日本車企業に鉄鋼製品を提供してきた日本製鉄などの命運を変えてしまった。
ならば、なぜ中国のEVはこんなにまで躍進……
トランプ大統領は就任直後、イーロン・マスクDOGE(政府効率化省)長官に命じてUSAID(アメリカ合衆国国際開発庁)の徹底調査をさせている。事実上のUSAID解体だ。
USAIDはNED(全米民主主義基金)を財政的に支えている組織で、USAIDが解体されればNEDの活動は瓦解する。中国から見れば香港デモや台湾独立を煽り、中国大陸にまで手を伸ばして白紙運動を展開させていたNEDをトランプとイー……
石破首相は(アメリカ時間2月7日の)トランプ大統領との会談の成果として「日本製鉄によるUSスチールの買収ではなく、USスチールへの投資で合意した」とご満悦のようだ。しかし石破首相には世界の製鉄情勢あるいは日本の製鉄業界の世界における位置づけが全く分かっていないと断言せざるを得ない。
投資ならばトランプは喜ぶだろう。
もっと喜ぶのは習近平だということに気が付いているだろうか?
もし日本製……
カテゴリー
最近の投稿
- 習近平は本気だと心得よ
- Taking Xi Jinping Seriously
- 軽んじられた同盟国:台湾が自ら戦略的価値を主張すべき理由
- ハーバード大留学生を速攻で獲得しようと動く中国 全世界の対米留学ビザに規制を拡大する米国
- ハーバード大学から留学生追放 アメリカの研究力が一気に下がる
- The Undervalued Ally: Why Taiwan Must Name Its Strategic Price
- 台湾武力統一に備えた中国軍の「ナゾの建物」に関する日本メディアの報道
- トランプ関税のせいで世界の79%の国がアメリカより中国に好感 デンマークのシンクタンクが調査
- 115%の関税引き下げ トランプ最大の誤算は「中国の報復関税」か 日本は?
- 歴史を改ざんしているのは中国共産党 中露首脳会談内容と共同声明を糺す