石破首相は(アメリカ時間2月7日の)トランプ大統領との会談の成果として「日本製鉄によるUSスチールの買収ではなく、USスチールへの投資で合意した」とご満悦のようだ。しかし石破首相には世界の製鉄情勢あるいは日本の製鉄業界の世界における位置づけが全く分かっていないと断言せざるを得ない。
投資ならばトランプは喜ぶだろう。
もっと喜ぶのは習近平だということに気が付いているだろうか?
もし日本製……
2023年に創設したばかりの中国AI企業の新星ディープシーク(DeepSeek)が今年1月20日にリリースしたオープンソース大規模言語モデルDeepSeek-R1(生成AIモデル)が、世界に衝撃を与えている。破格的な低コストで、現在世界最強の大規模言語モデルOpenAI-o1に相当あるいは凌駕する性能を示している。そのためアメリカでは一時的にAI関連企業の株価の暴落が起きたほどだ。
このまま……
大統領選挙中、あれだけ強烈に「中国のすべての輸入品に一律60%の関税を課す」と息巻き、当選後は合成麻薬フェンタニルに関して10%の追加関税をかけると主張していたのに、大統領就任後は対中関税の即時実行はしないことになってしまった。
もっとも、就任演説直後では、合成麻薬フェンタニルに関しカナダとメキシコには25%の関税を2月1日から課すと明言しながら中国には言及しなかったのに、翌日の……
The crackdown on corruption among senior officers of China’s People’s Liberation Army (the “PLA”) shows no signs of stopping, and for some reason, is concentrated in the Rocket Force. Of particular no……
1月17日、中国の国家統計局は2024年のGDP成長率を前年比「5.0%」と発表した。昨年末、中国の国有企業である国投証券股份有限公司(SDIC)の主席エコノミスト高善文氏は「中国政府が発表するGDP成長率は疑わしく、実際には2%位しか成長していない」という趣旨の発言をした。その発言が正しいのか否かを検証する。
◆中国の国家統計局が2024年のGDP成長率は「5%」と発表
1月17日、中国の……
1月3日、バイデン大統領は日本製鉄(日鉄)によるUSスチール買収を禁止すると発表した。これにより日米の鉄鋼業は衰退し、世界トップを走る中国の鉄鋼の地位をより確固たるものにするだろう。アメリカは「国家安全保障を脅かす」として、かつて「日の丸半導体」を沈没させただけでなく、今回もまた同じ理由で、今度は日本の鉄鋼をも沈没させていくことになる。それによって相対的に発展するのは中国だ。
こんなことでいい……
今年1月2日、中国の商務部は輸出入管理に関して規制を強化すべく、その調整(=修改正)方法に関してネットでパブリックコメントを募った。リチウム電池製造などで世界のトップを行く民間企業などを含めたネット民の意向を聞いてから輸出入管理修改正を決めるというプロセスも興味深いが、何をどうしようとしているのかを詳細に見ることによって、習近平政権の対米報復措置の一端が見えてくる。
◆新華網通知:「中国の輸出禁……
中国人民解放軍高官の腐敗摘発が止まらない。しかもなぜか「ロケット軍」に集中している。注目すべきは習近平の側近も摘発されていることだ。これは日本が大合唱をしてきた「習近平は政敵を倒すために反腐敗運動をしている」という主張が、いかに間違っていたかを証拠づけるものとして注意を喚起したい。
本稿では、なぜ腐敗が「ロケット軍」に集中しているのかを考察する。
◆腐敗摘発された中国人民解放軍高官のカテゴ……
米・国防総省が12月18日に『中国軍事力報告書』を発表し、「(中国の)汚職摘発が進んだためにロケット軍の作戦能力が向上する可能性がある」と指摘した。したがって「台湾武力攻撃で失敗したら、中国は核兵器の先制使用をするだろう」とも予測している。
トランプ第二次政権(トランプ2.0)で「政府効率化省」を担当することになっているイーロン・マスク氏が「国防費の無駄と非効率化」を盛んに表明しているので、……
半導体の微細化に関して「半導体の性能が18ヵ月で2倍になる」という経験則「ムーアの法則」は実際上かなり前から破綻しているが、人々は「3nm、2nm…」と競い合っている。ならば、「3nm、2nm…」の実態は何かと言えば、それは商品番号にすぎず、実際TSMCでも、たとえば「TSMC 3nm」チップとは言わずに、TSMC「3N」と、「こっそりと商品番号に置き換えている」ことに気が付かなければならない。そ……
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