このたびの中国の気球の軌跡をアメリカの学者が描いているが、それならNASAがこれまで飛ばしてきた気球はどのような軌跡を描いているのだろうか?その比較から見えてくる中国気球の正体を読み解く。
なお本稿では米軍に撃ち落された中国の気球を「中国気球」と略記し、NASAが飛ばしている気球を「NASA気球」と略記する。
◆アメリカ気象学者が描いた「中国気球」の軌跡
アメリカ気象学会フェローで、気象学者……
どんなに中国が民間の気象観測用気球が風に乗り不可抗力で米上空まで行ってしまったと弁明しても、特定できたのなら、すぐさま企業名と飛ばした時の状況などを明らかにすべきだった。透明性の欠如が決定打になった。
一方ではバイデン政権の裏事情をブルームバーグが暴いているので、それも同時に考察したい。
◆環球時報の第一報
アメリカがモンタナ州の上空に中国のものらしい気球が浮かんでおり、これはスパイ活動のた……
世界最大の半導体受託製造企業TSMCの創始者・張忠謀は米アリゾナ工場建設の式典で「自由貿易は既に死んだ!」と叫んだ。習近平とも仲が良い張忠謀の言葉が世界の趨勢を変えるかもしれない。
◆バイデン大統領も出席した式典で「自由貿易は既に死んだ」と叫ぶ勇気
2022年12月6日、世界最大手の半導体受託製造企業(ファウンドリ)である台湾のTSMCはアリゾナ工場の本格的な建設(第二期工程)が始まったとして……
1月27日、アメリカの呼びかけに応じ、日本とオランダが半導体製造装置に関して対中輸出規制をすることに合意した。軍事利用の可能性がある中国最先端半導体の成長を阻むのが目的だ。中国はこれからどう出るのか?
◆バイデン大統領の呼びかけに従った日本とオランダ(蘭)
バイデン大統領は、中国に最先端半導体の技術が流出し、それが軍事転用されるとして、昨年10月に半導体製造装置などを含む最先端半導体の輸出を規……
中央アジアでは中国の存在感の高まりに対する懸念の声が多く、同地域のどこかしらでしばしば大規模な抗議行動に発展している。問題や障害をはらんだ関係ではあるものの、安全保障というデリケートな領域においてさえ、同地域における中国の影響力は高まっている。
こうした状況の背景には主に2つの要因がある。第一に、中央アジア諸国は独立を勝ち得て以来、ロシアへの歴史的な依存関係から脱却するべく、それぞれ独自の形で世……
米国の戦略国際問題研究所のウォーゲームの結果に関して、日本では中国への抑制効果があるという肯定的論調が多いが、それはあまりに中国共産党の正体を知らない者の言説だ。国共内戦を経験した者として警鐘を鳴らしたい。
◆「中国が負ける」というウォーゲームの結果は中国の武力攻撃を抑制するという言説
今年1月9日、米国のシンクタンク「戦略国際問題研究所(Center for Strategic and In……
習近平は軍事・宇宙戦略を遂行するため軍民融合を導入した。本稿ではアメリカを抜く宇宙力を支える巨大な宇宙戦略組織図を披露し(本邦初公開)、その軸を成す軍民融合に貢献している日本の実態に警鐘を鳴らしたい。
◆アメリカを凌駕する中国の宇宙ステーションと宇宙開発
かねてより、アメリカが主導する国際宇宙ステーションに加入させてもらえなかった中国は、独自に中国の宇宙ステーションを開発し、昨年末から有人飛行……
台湾のテレビは中国の劉鶴国務院副総理とイエレン米財務長官の会談に関するトークを披露しているが、その豪胆な深読みが興味深い。米中の駆け引きと今後の世界動向の一側面を浮き彫りにしている。自由闊達な議論は、台湾の投票率の高さにも影響している。
◆通り一遍な日本の報道
イエレン米財務長官と中国の鶴国務院副総理が1月18日に、スイスのチューリヒで会談した。劉鶴はダボス会議に参加するため15日からスイスに……
1月12日に発表された台湾の民意調査では「大陸への駒としてアメリカに利用されたくない」や「大陸と対立するのは台湾に不利」といった回答が多かった。日米が盛んに台湾有事を叫ぶ現状と乖離している。
◆民進党や国民党への支持率
まず台湾人の(独立傾向の強い)民進党や(親中傾向の強い)国民党への支持率が現時点でどのくらいあるのかを見てみよう。以下に示すのは台湾民意基金会が2022年12月に最終調査をした……
予測した通り王滬寧(おう・こねい)が全国政治協商会議主席になる。3代の紅い皇帝に知恵袋として仕えてきた王滬寧は習近平にかつて「デタラメを言うな!」と怒鳴った男だ。そんな王滬寧の妻たちの物語を知っている人は少ない。
(注:1月20日、文末に「4人の妻の物語」の略記を加筆した。)
◆予測通り全国政治協商会議主席になることが判明した王滬寧
1月18日、新華網は<中国人民政治協商会議第十四回全国委員……
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