はじめに
台湾、蔡英文総統のリーダーシップは、特に中国本土との関係においてダイナミックに入り乱れる困難とチャンスで特徴づけられる。在任期間を歴史的観点から評価したとき、台湾の両岸政策(対中政策)に対するアプローチは、彼女の足跡の特に重要な側面と言えるだろう。蔡総統は在任中、台湾の主権や民主主義の原則、そして安全保障上の利益をしっかりと守りながら、中国本土との関係を舵取りするという複雑極まる課題に……
はじめに
現在の国際貿易環境においては米中の摩擦が激化しており、サプライチェーンの戦略的再編が急務となっている。米中関税合戦が勃発する以前から、家具や繊維製品(テキスタイル)などローエンドの労働集約型セクターを中心に、中国の多くの産業がすでにメキシコへの事業拡大を始めていた。この動きの背景には、中国国内での人件費の上昇や競争の激化、新規市場への参入意欲などさまざまな要因がある。
メキシコがニア……
台湾の頼清徳政権が5月20日(月)に誕生する。その前の最後の立法院議会(国会。以後基本的に国会)が開催されたのは5月17日(金)。その日に国会内で過激な暴力による大乱闘が起きた。藍(国民党)白(民衆党)共同作戦と緑(民進党)との間の戦いだ。波乱万丈の国会が頼清徳政権を待っている。
◆5月17日の国会大乱闘事件_格闘技的体力勝負で国会運営するしくみ
野党の国民党と民衆党は、これまでの民進党の国会……
かつては世界を制覇していた液晶パネルの王者シャープが幕を閉じた。気が付けば中国が液晶パネルの世界トップを走っており、世界生産シェアの70%を中国製が占めている。トップ企業3社とも中国だ。
現状と、なぜこのようなことになったのかを考察する。
◆世界のトップを行く中国の液晶パネル産業
2016年、シャープが台湾のホンハイ(鴻海精密工業)に買収され、創業以来、初めて社外の社長(鴻海グループ副総裁の……
Introduction
President Tsai Ing-wen's leadership of Taiwan has been marked by a dynamic interplay of challenges and opportunities, particularly in the context of cross-strait relations with mainland ……
はじめに
世界的な地政学的情勢が相互に作用し複雑さを増す中、台湾のパッケージング・テスト業界は大きな転機を迎え、課題とチャンスが混在する環境で難しいかじ取りを迫られている。日月光投資控股(ASE)傘下の硅品精密工業(SPIL)が2020年に中国から撤退したことを受け、市場における地位の強化と生産拠点の多様化を目的とした戦略的対応が、業界全体で相次いでみられてきた。
ASE、京元電子股分有限公司……
3月26日に、中国の「Bilibili」という動画サイトで公開された日本の海上自衛隊の護衛艦「いずも」の空撮画像・動画が本物であることを、5月9日になって防衛省が認めた。ドローンで撮影できたこと自体、日本の自衛隊のセキュリティのあまりの「ずさんさ」を世界に知らしめてしまったが、本物であることが分かるまでに約1ヵ月半もかかったという防衛省の能力限界も驚きだ。
日本のセキュリティの甘さの裏をかき、ド……
Introduction
In the current landscape of global trade, characterized by escalating tensions between the United States and China, the strategic reconfiguration of supply chains has become imperative. ……
5月5日から10日にかけて、習近平国家主席はフランス・セルビア・ハンガリーの3ヵ国を歴訪した。フランスではフォンデアライエン欧州委員会委員長とも会っている。
主たるテーマは4月22日のコラム<欧米が恐れる「中国製造業の津波」>で述べた安価な中国製EVの津波だが、訪問先の3ヵ国とも親米的ではないという共通点を持っている。特にハンガリーが今年下半期はEU理事会の輪番議長国になることととも……
中国国務院は先頃、「資本市場の監督強化、リスク防止、質の高い発展を促進する意見」、いわゆる新『国家九条』を発表した。前回の2014年通達から10年を経たタイミングで発表された今回の通達は、2004年の通達から続く一連の流れにおいて重要な節目にあたる。中国を取り巻く現在の経済状況にあって、これら新たなガイドラインは資本市場の指導という点に特化した国務院指令として、極めて重要な意味合いを持っている。
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