2月11日、バイデン大統領と習近平国家主席が電話会談した。両国の正式発表の相違にも問題があるが、あえて祝福ムード満開の春節大晦日に電話して「祝意」を示すこと自体からして対中強硬の本気度が疑われる。
◆なぜ祝福ムード満開の春節大晦日に?
日本時間の2月11日、バイデン大統領がようやく習近平国家主席と電話会談をした。1月20日に大統領に就任して以来、「カナダ、メキシコ、イギリス、フランス、ドイツ、……
2月5日、ブリンケン米国務長官が中国の楊潔チ・外交トップと電話会談したが、中国側発表では、「一つの中国」原則を遵守するとブリンケン氏が言ったとのこと。米側発表にはない内容だ。もし言ってないのなら、なぜブリンケン氏から反論がないのか?
◆アメリカ側の公式発表
まずアメリカ国務省の公式発表を見てみよう。公式発表では、ブリンケン国務長官は以下のよう主張したとなっている。
新疆……
トランプ支持者の米議事堂乱入を見て中国の環球時報は喜びを隠し切れず、中国のネットユーザーは狂喜乱舞している。米中覇権において中国に有利に働いているが、しかしそれでもアメリカ民主主義の修復力を信じたい。
◆嫌味たっぷりの「環球時報」報道
中国共産党機関紙「人民日報」傘下にある「環球時報」電子版「環球網」は1月7日、「華春瑩、アメリカの“国会占領”に回答:アメリカ人民が一日も早く平和安定と安全を享……
6日、香港立法会の民主派前議員や区議会議員など約50人が逮捕された。背景には民主派の「死なばもろとも十歩」計画がある。十歩目は中共とともに崖から飛び降りる際の国際社会支援頼み。現状では望み薄か。
◆逮捕された人たちの経緯
1月6日に民主派系列の全立法会(香港議会)議員や区議会議員など50人超が逮捕されたが、この人たちは、2020年9月に予定されていた立法会議員選挙に向け、民主派の候補を絞り込……
日本ではアリババなどIT大手3社の独禁法違反処分を中国政府の民間企業への介入と報道する傾向にあるが、実はこれはTPP11参加に向けて中国も国際標準に近づきつつあることへのアピールとみなすべきだろう。
◆独禁法違反で処分を受けた中国大手IT企業3社
中国政府の「国家市場監督管理総局」は12月14日、以下の中国大手IT傘下の企業に対して独占禁止法(以後、独禁法)と「経営者集中申請基準に関する国務院……
輸出管理法がレアアース規制を含むのか、その場合日本が対象国となり得るのか否かに関して日本企業の不安が大きい。しかし「環球時報」情報と同法条文を見る限り、対象国は選別され日本は対象外となる可能性が高い。
◆「環球時報」英文情報を読み解く
今年11月26日付の中国共産党機関紙「人民日報」の姉妹版「環球時報」(英語版)はConcerns about export restrictions drive……
王毅外相が尖閣を中国の領土としたのに対して日本がその場で反論しなかったことを中国は外交勝利と狂喜している。GDP規模が2025年にはアメリカの9割に及ぶとしたIMF予測を背景に中国は強気に出たのだ。
◆王毅外相に反論できなかった日本の無残な敗北
11月24日、中国の王毅外相は茂木外相と会談し、会談後の記者会見で「最近、一部の正体不明の日本の漁船が釣魚島(尖閣諸島)のデリケートな海域に侵入してい……
アメリカ離脱とともに表明してきた中国のTPP11参加の本気度に関し懐疑的な論調が目立つ。そこで中国は本気なのか、本気だとすればTPP11の要求をどのように満たすつもりかを中国問題グローバル研究所の孫啓明教授に聞いた。孫啓明教授は中国政府側の意向と現状も分析しながら回答してくれた。
孫啓明教授は南京信息工程大学浜江学院および北京郵電大学経済管理学院の教授で多くの中国の国家級および地方政府級のシンク……
習近平は20日のAPEC首脳会談でTPP11 への参加意欲を表明したが、2017年のアメリカ離脱直後に表明しており停止条項に注目していた。RCEP締結を優先しただけで米政権の空白を狙ったわけではない。
◆習近平がAPECでTPP11 への参加意欲を表明
11月20日夜からリモートで開催されたAPEC(アジア太平洋経済協力会議)の首脳会議で、習近平国家主席はCPTPP=TPP11 (環太平洋パー……
RCEPの締結は中国のコロナ禍早期脱出とトランプ政権の一国主義のお陰だと、中国は大喜びだ。日中韓FTAまで内包してしまい、インドの不参加、台湾経済の孤立化も中国には有利だ。インドやロシアとはBRICSで結ばれている。
◆「多国間主義と自由貿易の勝利」と中国
中国共産党の機関誌「人民日報」やテレビ局CCTVは、アジアの自由貿易協定であるRCEP(アールセップ=東アジア地域包括的経済連携)締結を「……
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