返り咲くトランプ
ドナルド・トランプの2度目の大統領選勝利について、歴史家たちは今後何十年にもわたって議論し著述することになるだろう。「もしも」を考え始めたらキリがないが、そもそもバイデンは立候補すべきだったのか?後任候補の指名はカマラ・ハリスでよかったのか?あの瞬間にトランプが振り向かず、暗殺者の銃弾がかすめるだけでは済まなかったら?トランプが既決重罪犯として初めて国の最高職に選出されたという……
中国半導体最前線のPartⅡとして、ファーウェイのケースを考察する。アメリカが対中半導体制裁を始めたのはトランプ1.0政権が、習近平が発布した「中国製造2025」の衝撃に気付いたからだ。これを習近平に実行されたらアメリカはハイテク分野において中国に負け、アメリカ経済も中国に負けるという恐るべき未来が待っている。その最悪シナリオを圧し潰すために対中制裁を始めた。
「安全保障上の理由から」というの……
アメリカは中国が絶対にアメリカの半導体技術を越えないように、あらゆる手段で対中制裁を強化してきた。しかし対中制裁をすればするほど、中国は自力更生を強化し、遂に中国半導体の輸出額は年間1兆元(約20.6兆円)を超えるに至っている。
中国は、少しでも技術革新があるとアメリカがそこを狙って対中制裁をかけてくるのを知っているので、2017年辺りから、最前線の技術成果を外に漏らさないようにしてきた。し……
中国の官製メディアは6時間で終わった韓国非常戒厳を「茶番劇」と片付けたが、中国政府の通信社「新華網」の第一報の見出しを「ソウルの冬」と銘打ったために、中国のネットでは韓国映画『ソウルの春』を連想し、監視に対する警戒がすっかり緩くなってリラックスムードとなり、韓国版「傾国の美女」に関心を示す「本音」の情報が飛び交っている。
中国のネットでは、この非常戒厳は尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が、愛妻……
12月2日から、遂にマイナ保険証制度が始まり、紙ベースの健康保険証の新規発行は二度とされないことが決まった。日本でマイナンバーカード取得が進まないことから、日本人の命に係わる健康保険証を「人質」にして、「さあ、困るだろう!わかったか!これでもマイナンバーカードを取得しないと抵抗できるか?」と日本人を脅迫する姿勢に入ったとしか思えない。
コロナが蔓延していた時に、各地方の保健所はFAXという前時……
Trump Returns
Donald Trump’s second US election victory will keep historians debating and writing about what might have been for decades to come. The range of counterfactuals is endless; should Bide……
トランプ次期大統領(以下、トランプ)は11月25日、中国がフェンタニルをメキシコやカナダに輸出して、アメリカにおけるフェンタニル患者を激増させているとして、大統領就任初日に中国に10%、メキシコとカナダに25%の追加関税を課すと投稿した(中国の場合は「60%+10%=70%」になる)。
これに対しカナダのトルドー首相は11月29日に訪米してトランプと会食し、メキシコのシェインバウム大統領は11……
現地時間11月21日、EUの希望の星であったEV(電気自動車)の車載電池製造会社ノースボルト(northvolt)が破産保護申請をアメリカに申し出た。ノースボルトは中国からの「EVの津波」を回避するために、欧州でEV用電池を製造しようという目的で2016年にスウェーデンに設立された企業だ。EUやアメリカの支援協力も得たが、中国には勝てなかった。
これによりEUのEVに関する対中追加関税の継続的……
米中の新産業力を比較考察する本を執筆する過程で、日本を参考比較対象としてみた。すると、「なぜ日本の製造業はこんなにまで没落してしまったのか」、「なぜNatureの研究者ランキングなどで、日本はここまで低いのか」といった疑問にぶつかった。
そこに共通しているのは「短期的成績が求められるようになったから」という事実で、日本企業の場合、その原因は「物言う株主」(アクティビスト)の存在であること……
中国で相次いでいる無差別殺傷を、日本のメディアでは「社会への報復」と一括りにしてまとめて「得意がる」傾向にある。しかし事件の真相をたどっていけば、その言葉は日本で2008年から流行した「無敵の人」が発端になっていたことがわかる。
中国の場合は鄧小平が号令をかけた「向銭看(シャン・チェン・カン)(銭に向かって進め)」が生んだ社会的病理も混在している。
日本では短絡的に「最近は中国の経済状況……
カテゴリー
最近の投稿
- Turning Point for the State vs. Private Economy? Policy Signals from China’s 2025 Two Sessions
- 中国の防衛費は異常に高額なのか? 防衛費GDP比の米中日比較
- 中国2025年の中央1号文書を発表:食料安全保障、農村振興、農業改革の継続を重視
- 科学誌ネイチャー「米中AI競争は土俵が違う」――「中国は製造業土台に実用型、アメリカは投資型」
- 習近平とプーチンを喜ばせた「トランプ・ゼレンスキー会談決裂」
- わずか1カ月
- 習近平・プーチン・トランプの相互関係 トランプはウクライナ問題解決後、対中攻撃を考えているのか?
- Food Security, Rural Revitalization, and the Unfinished Missions of Agricultural Reform in China’s 2025 No. 1 Document
- 史上最大のディール! ウクライナ停戦「米露交渉」案は習近平の「トランプへのビッグプレゼント」か?
- 「習近平に助けを求める」ゼレンスキー ウクライナを外した米露会談を受け