頼清徳総統が率いる政権は、未曾有の内外の圧力に直面し、岐路に立たされている。世界経済の変動と国内政治の混乱の高まりの中で、頼政権は経済・政治・環境危機の嵐を乗り越えなければならない。本稿では、特に貿易、政治、気候変動の分野で、頼清徳政権がこれらの課題にどのように対応しているかを分析する。
1.外部からの圧力と経済的課題
頼清徳政権が直面する最初の大きな外圧は、世界貿易環境の変化と、グローバルサ……
中国の勢力圏とは?
ドナルド・トランプ氏は自らの政権がこれまでで最も優れており、発足後100日間あるいは6カ月間でほかのどの政権より多くのことを成し遂げたと主張する。彼の言っていることはある意味正しい。米連邦政府の解体とそれがもたらす影響は今後、何百万人もの米国人に多大な影響を及ぼすことになり、完全に元通りになることはないだろう。外交関係を見ても、伝統的な同盟国や正式な同盟関係に背を向けたことは……
※この論考は7月24日の<EU and China Amidst Geopolitical Chaos >の翻訳です。
2025年7月24日の北京は重苦しい空気に包まれるだろう。それは決して夏の湿度のせいだけではない。EU・中国首脳会談が開かれ、欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長と欧州理事会のアントニオ・コスタ議長が、中国の習近平主席および李強首相と膝を交えて話し……
フィナンシャル・タイムズ(FT)は7月28日、「習近平国家主席との会談予定や米中貿易合意に向けての交渉のさなか、トランプ大統領は習近平との関係を重んじて、頼清徳総統が8月にニューヨークに立ち寄るのを拒否した」と報道した(登録、有料)。中国側の猛烈な抗議を配慮した結果だという。
すると、「トランプは中国大陸を重んじて台湾をないがしろにした」と、台湾メディアは燃え上がった。特に「なにも、頼清徳に世界……
アメリカCIA(Central Intelligence Agency=中央情報局)のYouTubeチャンネルが、中国人向けにスパイを公募する動画を今年5月1日にネット公開していたことがわかった。
その大胆さに驚く。
中国政府はもちろん真正面から抗議している。
もともとNED(National Endowment for Democracy=全米民主主義基金)が水面下で中国人にスパイ活動を勧……
7月26日、台湾で最大野党・国民党立法委員(国会議員に相当)(以後、議員)に対するリコール(解職請求)投票が行われたが、頼清徳政権(民進党)側は大敗を喫した。その原因を中共のプロパガンダ(浸透工作)のせいにする傾向が強い。そういった要因は否定できないものの、頼清徳政権自身の「言論弾圧」と言ってもいいほどの過度な取り締まりが横行していたという経験をしたばかりだ。
実は今年初夏、台湾の「隠された歴史……
習近平失脚説に関して、もう一つ解明しなければならない問題がある。
それは(共青団出身の)胡春華が習近平に代わってトップに躍り出るだろうという「噂」と「期待」と「もっともらしい裏付け」だ。その裏付けは「6月23日に開催された全国政治協商会議常務委員会の開幕会(≒開幕式)の司会を胡春華がした」という事実を、「胡春華が常務委員会を主催した」と誤解釈したことから始まる。そのため「遂に胡春華が表舞台に躍り……
The air in Beijing on July 24, 2025, will be thick not just with the summer humidity, but with an almost palpable tension as European Commission President Ursula von der Leyen and European Council Pre……
本稿では、7月14日の論考<習近平失脚説 噂とフェイクと報道のフローチャートPartI>(以後、PartⅠ)の続きを書く。PartⅠの最後に書いたように、7月8日のTBSの<「中国で権力の移行が起きている」"独裁"強めた習主席"失脚"あるのか【7月8日(火)#報道1930】|TBS NEWS DIG>が土台としていた台湾の沈明室氏は、毎日のように法輪功のメディアである大紀元と接触をしていたことがわ……
※この文章は7月7日の<China’s Continuing Discomfort>の翻訳です。
イラン
数カ月前のこのコラムで、長年続いてきた規範や外交の基本姿勢がトランプ大統領の無作法かつ神経を逆なでする流儀により覆され、中国が不安と不満を強めていることを取り上げた。それ以降も、トランプ氏は文字通りやりたい放題、言いたい放題で、大統領の権力をふりかざすリアリティショーが日々続いている。トラ……
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