※この論考は8月31日の< Up, Up and Away>の翻訳です。
楽観の理由
習近平氏は現在、先行きをやや楽観しているのではないだろうか。さまざまな問題が彼の思い通りに動いているかという点においては、少なくとも不利には働いていない。米国との貿易戦争では、関税率は依然として高く損害を受けるレベルだとはいえ、ある種の休戦が宣言された。それだけでなく、中国はレアアースのサプライチェーン優位性……
北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記(以後、金正恩)は北京で挙行された「抗日戦争80周年記念」軍事パレードに参加した後、習近平国家主席(以後、習近平)との親密な会談と会食を終えて4日夜に帰国した。
金正恩の訪中を、日本の多くのメディアは「ギクシャクした中朝関係を回復させるため」という趣旨の接頭語を付けて解説しているが、中朝関係は「ギクシャク」していたのだろうか?
本稿では「中朝露韓日」5ヵ国の出来事……
9月1日の論考で<台湾で機密解除 抗日戦争戦場での手書き極秘報告集が暴く「中共軍と日本軍の生々しい共謀」記録発見>と書いたが、この機密解除された同じ記録から、抗日戦争中、中共軍は日本軍と水面下で「不可侵条約」を結んでいたことが判明した。記録の時期は1940年12月。
また、7月10日の論考<習近平、BRICS欠席して抗日戦争「七七事変」を重視 百団大戦跡地訪問し「日本軍との共謀」否定か>で、毛沢……
台湾の「国史館档案史料文物査詢系統」で、中華民国27年6月(1938年6月)から中華民国33年6月(1944年6月)にかけての抗日戦争での戦場手書き極秘報告集(電報)が機密解除されていたのを発見した。宛先は蒋介石委員長で、書いたのは抗日戦争戦場における国民党側の各戦場現場指令官などである。
戦場において時々刻々変化する中での記録であり、鉛筆で書かれたものが多く、かつ時間節約のためか句読点がないの……
9月3日に北京で挙行される「中国人民抗日戦争・世界反ファシスト戦争勝利80周年記念式典」に北朝鮮の金正恩総書記も参加することがわかった。中露朝という隣接する「非米陣営」の「巨頭」(独裁政権トリオ?)が一堂に会するのは異例なことだ。
皮肉にもこの3人はトランプ大統領が「会いたがっている」リーダー集団でもある。
おまけに「反ファシスト戦争勝利」と言うなら、旧ソ連を別とすれば、アメリカやドイツ・イタ……
トランプ関税により中国の習近平が「漁夫の利」を得ていることに関して、今回はアフリカを対象として考察する。
トランプ1.0(2017年~2021年)のときに激しい制裁を受けた習近平政権は、アメリカを消費対象国としていたことから離脱し、アメリカ以外の国へとシフトしていった。中でもアフリカの購買欲を成長させるという戦略に早くから出ており、それはトランプ2.0の高関税により一気に加速している。
たとえ……
8月24日、日本の共同通信は<中国の抗日行事に「参加自粛を」 日本政府、各国に呼びかけ>という見出しでハッとするような報道をした。日本政府が「遺憾砲」以外に、こうして具体的に「参加自粛」を欧州やアジア各国に外交ルートを通して呼びかけたことなど、未だかつて聞いたことがないように思う。正直、「石破政権、なかなかやるじゃないか」と思った。
可能ならば、なぜ「抗日行事」が始まったのかを直視し、中国共産党……
トランプ大統領は非常事態宣言をすることによって米議会を通さずにSNSと大統領令に基づいてのみ対米貿易相手国に高関税を宣言してきた。7月31日の大統領令では「中国以外の対米貿易国に対する関税」を公表。8月7日から実施されている。
中国だけが優遇されて関税賦課猶予期間を11月10日まで延期されているのは、たとえば4月13日の論考<米軍武器の部品は中国製品! トランプ急遽その部品の関税免除>や4月16……
8月20日から横浜市で開催されていた「第9回アフリカ開発会議」(TICAD9)が22日に「横浜宣言」を採択して閉幕した。宣言では石破首相が打ち出したという新構想「インド洋・アフリカ経済圏イニシアチブ」の理念が盛り込まれているようだが、バイデン政権時代のアメリカ同様、何やら習近平が提唱した「一帯一路」構想および「グローバル発展」イニシアチブを彷彿とさせる。事実、日本の報道でも「域内で影響力を強める中……
トランプ大統領は8月6日、「海外から米国が輸入する半導体に約100%の関税を課す」と表明した。但し「米国内で生産を約束している場合あるいは米国内ですでに生産中の場合は、関税は課されない」という条件が付いている。
目的は「米国における半導体産業を復活させること」なのだが、海外からの輸入を喰いとめて、海外の半導体企業を(力づくで)米国に移転させ米国で半導体を製造させることによって「米国の半導体産業を……
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