少なからぬ日本人は、プーチン大統領がウクライナを武力攻撃したように、独裁体制の中では、トップにいる独裁者が武力攻撃すると決断しさえすれば一方的に攻撃を始めるので、台湾の場合も「習近平国家主席が決断すれば一方的に台湾を武力攻撃し始める。だから台湾有事の有無は習近平の意思一つにかかっている」と思っているのではないかと思う。
もしそうだとすれば、日本人自らが、知らず知らずの内に台湾有事を招くような事態……
11月24日のコラム<台湾総統選「藍白合作」(野党連携)破局! なんと、国民党の支持率が民進党に僅差で迫る>で、なぜ国民党の支持率がこんなに上昇したのか、驚きを禁じ得ないと書いた。そのコラムで、今後、他の民意調査結果を見ながら慎重に考察を続けたいとも書いた。そのお約束を果たすために、あのあと何十本の記事を読み動画の論議を観たかしれない。
その結果、遂に「国民党支持率急上昇の謎」が解けた。
回答……
24日、「藍白合作」が破局した。民進党の圧勝になるだろうと思っていたところ、なんと、藍(国民党)の侯友宜候補の支持率(31.1%)が、政権与党・民進党の頼清徳候補の支持率(31.4%)に、ほぼ誤差範囲で迫っていることがわかった。政党支持率も僅差だ。
◆「藍白合作」が破局
23日、最後の話し合いとして、白陣営(民衆党)の柯文哲候補が無所属で立候補した郭台銘(テリー・ゴウ)氏とともにホテルの会議室……
本来なら政党の党首が総統選に立候補するはずだ。しかし朱立倫党首が立候補せず、新北市市長ではあるものの国民党の一党員で党幹部ではない侯友宜氏が立候補したのはなぜなのか?その疑問を解くと、国民党が最初から「藍白合作」を狙っていたことが浮かび上がってくる。
◆朱立倫党首は「外省人」
まず最大の理由は、朱立倫氏が「外省人」だということだ。
外省人とは1949年、国共内戦で敗北し台湾に移ってきた蒋介石……
11月15日、習近平国家主席はサンフランシスコでの米国友好団体連合歓迎夕食会でスピーチをした。習近平が壇上に上がっただけでスタンディングオベーションが沸いたほどビジネス界では歓迎されたと報道されているが、そのスピーチの中で触れた「抗日戦争」に関する虚偽と歴史歪曲を筆者は見逃さない。この歪曲された内容は、まさに台湾問題と直結する「中共が隠してきた事実」だからだ。筆者が中国共産党を許せない大きな原因の……
台湾総統選における野党連携「藍白合作」(藍は国民党、白は台湾民衆党)を発表した翌日の11月16日、台湾の国営通信社である中央通信社(中央社)は、柯文哲候補(台湾民衆党)が「今年2月以来、AIT(米国在台湾協会)から常に選挙に関する現状報告をするように要求されてきた」と語ったと報道している。
その1ヵ月前の10月17日にはシンガポールの「聯合早報」がAITの理事長(バイデン米国大統領の……
バイデン大統領は米中首脳会談の直前に台湾総統選「藍白合作」(野党連携)を知ったらしく、会談後の記者会見で、「会談で習近平国家主席と野党連携に関して話し合った」と述べている。習近平に「中国は台湾の選挙に介入するな」とも言ったらしい。
一方、「藍白合作」に合意した台湾民衆党の柯文哲(次期総統選立候補者の一人)は11月18日の正副総統候補者名簿発表寸前になって、「ちょっと時間をくれ」と言い始めた。野党……
11月15日、台湾の総統選に関して、野党の国民党と台湾民衆党が連携することが決まった。国民党のシンボルカラー「藍」と台湾民衆党のシンボルカラー「白」を取って、これを「藍白合作」と称する。
今年2月1日のコラム<「自由貿易は死んだ!」と嘆いた台湾TSMC創始者・張忠謀と習近平の仲が示唆する世界の趨勢>や2月12日のコラム<習近平「台湾懐柔」のための「統一戦線」が本格稼働>で、「藍白合作……
日本時間16日早朝、サンフランシスコで米中首脳会談が行われた。習近平国家主席がバイデン大統領に何と言ったのかが「人民日報」電子版「人民網」に詳細に書いてある。それを着実に読み取り、習近平が何を考えているかを考察する。
米中首脳会談にピタリと合わせて、台湾では野党が連携を組むことを発表した。これにより米国はこれまでのように「台湾有事」を煽ることができなくなる。習近平には圧倒的に有利な形勢が生まれつ……
誕生を祝して
数週間前、習近平の代名詞とも言える地政学的プロジェクトの10周年を記念する、第3回一帯一路フォーラム(BARF)が北京で開催された。フォーラムには22人の国家元首と140か国の代表が参加したが、代表者の多くは比較的低いランクの政府高官であり、一部の国々ではメディア関係者のみの参加となった。国家元首22人というのは結構な数にも聞こえるが、前回2019年の開催時より14人も減っている。……
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