中国人民解放軍東部戦区が先ごろ、台湾周辺で2日間にわたり軍事演習を行った。それを受け、台湾の頼清徳総統は5月26日、台湾自治島周辺で軍事演習があったとはいえ、依然として中国と協力する気概があると述べた。頼総統は交流と協力を通じて台中間で相互理解と寛容さ、融和を促進し、双方にとって有益な状況を作り出し、共に平和と繁栄に向かうことを期待している。
軍事演習の背後にある思惑
中国人民解放軍の「連合利……
頼総統の描く展望 ― 繁栄・民主主義・国際的地位の確立へ
5月20日の頼清徳(らい・せいとく)台湾総統の就任演説は台湾の未来に向けた構想を示すものとなり、台湾にさらなる繫栄、民主化、自由をもたらすとともに、国際社会で確固たる地位を築くことを約束した。その焦点は、歴代総統との比較でも、中国や米国に向けた声明でもなく、あるいは中国が言う「成績表の未完部分」への回答でもなかった。そこで掲げられていたの……
Introduction: The 2024 Shangri-La Dialogue in Regional Security
The Shangri-La Dialogue, organized annually by the International Institute for Strategic Studies (IISS), serves as a crucial forum to a……
5月30日、北京で「中国アラブ諸国(中ア)協力フォーラム 第十回閣僚級会議」が開催され、習近平国家主席が開幕式で基調講演をした。フォーラムにはアラブ諸国首脳も一部出席して格上げし、2026年に予定している中ア首脳会議の準備に入っている。米一極支配から脱して、グローバルサウスを巻き込み、世界の多極化体制を加速化させることが狙いだ。
◆習近平「中ア運命共同体」を強調
開幕式の基調講演で、習近平は2……
Recently, the Eastern Theater Command of the Chinese People's Liberation Army conducted a two-day military exercise around Taiwan. In response, Taiwanese President Lai Ching-te stated on May 26th that……
5月13日、アメリカン・エンタープライズ研究所と戦争研究所の共同プロジェクトである台湾連合防衛プロジェクトは、「中国は軍事侵攻ではない形で台湾統一をするつもりで、われわれは長いこと、それを見逃してきた」という趣旨の共同報告書を発表した。同日、アメリカメディアのTHE HILLも「中国は台湾統一をするために(台湾を)侵略する必要はない」というタイトルでこの報告書を報道。
これは正に筆者……
President Lai's Vision: Building Prosperity, Democracy, and Global Standing
President Lai Ching-te's May 20th inaugural address stands as a testament to his vision for Taiwan's future. He pledged to ……
5月20日における「中華民国」台湾の頼清徳総統就任演説は理路整然としていて力強かった。「独立」を越えて「国家主権」を主張した「国家観」は、その是非を別にすれば立派なものである。ただ、1971年10月25日の国連決議【第2758号】に完全に違反しており、中国は激怒し武器のポスターで威嚇すると共に5月23日から24日の日程で実弾を伴わない軍事演習の予告もしている。
◆頼清徳総統の就任演説……
はじめに
台湾、蔡英文総統のリーダーシップは、特に中国本土との関係においてダイナミックに入り乱れる困難とチャンスで特徴づけられる。在任期間を歴史的観点から評価したとき、台湾の両岸政策(対中政策)に対するアプローチは、彼女の足跡の特に重要な側面と言えるだろう。蔡総統は在任中、台湾の主権や民主主義の原則、そして安全保障上の利益をしっかりと守りながら、中国本土との関係を舵取りするという複雑極まる課題に……
はじめに
現在の国際貿易環境においては米中の摩擦が激化しており、サプライチェーンの戦略的再編が急務となっている。米中関税合戦が勃発する以前から、家具や繊維製品(テキスタイル)などローエンドの労働集約型セクターを中心に、中国の多くの産業がすでにメキシコへの事業拡大を始めていた。この動きの背景には、中国国内での人件費の上昇や競争の激化、新規市場への参入意欲などさまざまな要因がある。
メキシコがニア……
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