ど派手なショー
ドナルド・トランプ氏はその長い人生の中で数々の役を演じてきたが、本当に成功したのはリアリティ番組『アプレンティス』の中だけである。ここで演じた億万長者の不動産王役は、相次ぐ倒産で請負業者への未払いや巨大プロジェクトの失敗で悪名を馳せた彼の残念な現実より、はるかに上出来であった。そのため、彼の2度目の米国大統領就任がど派手なショーとなっているのも不思議ではない。毎日が政治物のコメデ……
2月24日、プーチン大統領が習近平国家主席に電話をし、中露の緊密さは永遠に変わらないことを誓い合った。トランプ大統領がどんなに対露接近をしても、トランプ政権が終われば、また民主党のNED(全米民主主義基金)を駆使した「民主を掲げながら親米的でない国家や政府を倒す方針」に戻ることが考えられるからだ。したがって中露の緊密度が変わることはない。
一方のトランプは「習近平が大好きだ」と公言している。大……
ウクライナ戦争の停戦交渉がウクライナ抜きで行なわれていることにゼレンスキー大統領が激怒し、習近平国家主席に助けを求めた話を2月20日のコラム<「習近平に助けを求める」ゼレンスキー ウクライナを外した米露会談を受け>で書いた。
しかし、もし「ウクライナ抜きの米露のみによる交渉」を「こっそり」トランプに提案していたのが習近平だったとすると、どうなるだろうか?
世界の認識はガラリと変わってくる。……
2月18日、サウジアラビアでウクライナ停戦をめぐる米露政府高官による会談が行なわれた。戦争当事者であるウクライナ抜きだ。これに対してウクライナのゼレンスキー大統領(以下、ゼレンスキー)は激怒し、「中国が停戦交渉に参加することを排除しない」旨の発言をした。
すると中国では早速その発言に対する論考などが数多く出されたが、中でも興味深いのは台湾のテレビ番組「新聞大白話」が「ゼレンスキーは……
The Spectacle
Of Donald Trump’s many roles in his long life the only one where he really was a success was as reality TV star in The Apprentice. Playing the role of a billionaire property tycoon was……
日産&ホンダの経営統合は決裂に終わったが、そもそも統合しなければならないほどの危機に至ったのは、中国のEV(電気自動車)に押されて中国で生き残れなくなったからだ。トヨタは少し違うとしても、EVによって追い詰められた状況は日本車全体に言えることで、中国EVは日本車や在中国の日本車企業に鉄鋼製品を提供してきた日本製鉄などの命運を変えてしまった。
ならば、なぜ中国のEVはこんなにまで躍進……
トランプ大統領は就任直後、イーロン・マスクDOGE(政府効率化省)長官に命じてUSAID(アメリカ合衆国国際開発庁)の徹底調査をさせている。事実上のUSAID解体だ。
USAIDはNED(全米民主主義基金)を財政的に支えている組織で、USAIDが解体されればNEDの活動は瓦解する。中国から見れば香港デモや台湾独立を煽り、中国大陸にまで手を伸ばして白紙運動を展開させていたNEDをトランプとイー……
石破首相は(アメリカ時間2月7日の)トランプ大統領との会談の成果として「日本製鉄によるUSスチールの買収ではなく、USスチールへの投資で合意した」とご満悦のようだ。しかし石破首相には世界の製鉄情勢あるいは日本の製鉄業界の世界における位置づけが全く分かっていないと断言せざるを得ない。
投資ならばトランプは喜ぶだろう。
もっと喜ぶのは習近平だということに気が付いているだろうか?
もし日本製……
ドナルド・トランプ氏が第2期政権をスタートさせることで、米国政治の新たな章が幕を開けようとしている。これが国内外の情勢を揺るがすことは間違いない。トランプ氏は先日行った就任演説で、自由、民主主義、国家主権といったアメリカのアイデンティティを支える中核的価値観を改めて強調した。しかし、今回は単なる言葉にとどまらず、最優先とする行動を求める明確な呼びかけでもある。この変化は米国内だけでなく、世界、特に……
2023年に創設したばかりの中国AI企業の新星ディープシーク(DeepSeek)が今年1月20日にリリースしたオープンソース大規模言語モデルDeepSeek-R1(生成AIモデル)が、世界に衝撃を与えている。破格的な低コストで、現在世界最強の大規模言語モデルOpenAI-o1に相当あるいは凌駕する性能を示している。そのためアメリカでは一時的にAI関連企業の株価の暴落が起きたほどだ。
このまま……
カテゴリー
最近の投稿
- 統一戦線工作の新たなる試み:国民党と中国政府の政治的共鳴
- トランプはなぜ対中100%関税を延期したのか? その謎解きに迫る
- 中国、軍幹部大量逮捕の背後に横たわる真相を暴く
- China’s Scripted Politics and the New Quality Productive Forces
- 高市総理に「日米首脳会談」までに認識してほしい、トランプ大統領の対中姿勢(対習近平愛?)
- 高市政権誕生 国交大臣がようやく公明党でなくなったのは評価するが、金子恭之新国交大臣の発言には失望
- A New Prototype of United Front Work: Institutional Resonance Between the KMT and Beijing
- 戦略的沈黙:中国の国慶節演説で「台湾統一」への言及を避けたメッセージとその意味
- 自公決裂!組織票欲しさに二大宗教団体を利用した自民党のツケ 遂に中国の支配から抜け多党制に移行か
- 靖国参拝で公明党に譲歩した高市総裁 結局は中国のコントロール下になり続ける道を選んだ自民党










