13日に親米の民進党頼清徳が総統に当選すると、そのお祝いに元米政権幹部から成る非公式代表団が訪台した。習近平は軍事演習で抗議表明をする代わりに、ナウルと国交を樹立し、台湾(中華民国)と断交させた。
その陰でうごめいている奇妙な動きとともに考察したい。
◆訪台した超党派米代表団
1月15日のコラム<どう出る、習近平? 台湾総統選、親米民進党勝利>で、13日に民進党の頼清徳氏が総統に当選したのを……
The 2024 Taiwan election has finally concluded, revealing a complex political landscape. The ruling Democratic Progressive Party (DPP) led by President Lai Ching-te and Vice President Hsiao Bi-khom se……
台湾総統選で親米の民進党・頼清徳氏が勝利した。立法院に関しては国民党が議席を増やしたものの過半数に達せず、1議席しか民進党に勝っていない。「ねじれ国会」は民衆党が国民党側に付くか民進党側に付くかによって方向性が決まる。
中国は頼氏の得票率が40%でしかないことを以て、この選挙結果は台湾の主流世論ではないと主張。これまでの姿勢を変えない構えだ。
国民党の意外な敗因と今後の中台の動向を考察する。
……
習近平国家主席が信頼を寄せていた李尚福元国防部長をはじめ、9名の軍幹部が腐敗問題で失脚したことなどを受け、1月8日、習近平は腐敗や汚職など党規約違反を審議する中央紀律検査委員会全体会議を開いて、党内になお蔓延(はびこ)る腐敗や汚職の一掃を求める談話を発表した。
2013年から始まった激しい反腐敗運動は、特に軍部に蔓延(まんえん)する底なしの腐敗を撲滅して軍のハイテク化を図るためだった。2015年……
昨年末に習近平国家主席は、中央テレビ局CCTVを通して「二〇二四年新年の挨拶」を表明した。その中で台湾問題に関して「祖国統一是歴史必然」(祖国統一は歴史的必然である)と述べている。日本のメディアはこれを以て、習近平は野心家なので台湾統一をしようとしているというニュアンスで「台湾有事」を警戒しているが、「台湾統一」は1950年代に毛沢東が「祖国の使命」として強調したもの。新中国(中華人民共和国)誕生……
12月26日午後2時から、台湾総統選候補者の政見放送第二弾がライブで行われた。民衆党の柯文哲候補、国民党の侯友宜候補、民進党の頼清徳候補の3候補が順番に10分ずつ3回にわたって政権表明をしたが、何よりもインパクトがあったのは頼清徳候補の最後の一言だった。
◆台湾総統選政見放送第二弾
12月26日の午後2時から台湾総統選立候補者の政見放送があった。1人1回10分間の制限内で、3回政見を発表できる……
12月12日~13日、習近平国家主席がベトナムを訪問した主たる目的は両国内で暗躍するNED(全米民主主義基金)に対する警戒と共闘だった。ベトナム戦争後もアメリカはベトナムの南方派に支援を続け北方派が中国と関係を深めることを阻止しようしてきた。ベトナムにおけるNEDの暗躍は1987年以降に目立つ。特に今年は親米の南方派が敗北したのでNEDの暗躍は活発化するだろう。
中国に関しては香港や台湾および中……
岸田首相の不支持率が79%に達したことは、日本人でも「それでもこの内閣を存続させるのか」と思ってしまうが、中国でも驚きを以て報道され、中央テレビ局CCTVや新華社が報じたので、中国のネット空間はそれが次から次へと転載されて騒然としている。
中国の腐敗文化は数千年の歴史を持ち、江沢民政権はそれを助長し、胡錦涛政権では江沢民勢力により是正できなかったが、習近平政権になってからは反腐敗運動を展開して、……
香港の民主活動家だった周庭(アグネス・チョウ)さんがカナダに亡命し、二度と香港に戻らないことを表明したが、彼女もまたNED(全米民主主義基金)の支援の下でデモ活動をしていたのかと思うと、何とも複雑だ。
◆周庭さんは香港衆志(デモシスト)の創立者の一人
香港の政党の一つに香港衆志というのがある。2016年4月に創立されたもので、英語ではDemosistō、日本語では「デモシスト」と呼んでい……
今回(PartⅣ)は「ウクライナ危機を生んだのは誰か?」シリーズの最終回である。初めてご覧になる方はPartⅢにPartⅠやPartⅡのことが書いてあるので、そちらをご参照いただきたい。このシリーズのNED(全米民主主義基金)に関するデータは、すべてNEDの年次報告書(1983年~2021年)に基づいている。
これらを分析する目的は、アメリカがNEDを遣って中国大陸や香港あるいは台湾で「人に気づ……
カテゴリー
最近の投稿
- Turning Point for the State vs. Private Economy? Policy Signals from China’s 2025 Two Sessions
- 中国の防衛費は異常に高額なのか? 防衛費GDP比の米中日比較
- 中国2025年の中央1号文書を発表:食料安全保障、農村振興、農業改革の継続を重視
- 科学誌ネイチャー「米中AI競争は土俵が違う」――「中国は製造業土台に実用型、アメリカは投資型」
- 習近平とプーチンを喜ばせた「トランプ・ゼレンスキー会談決裂」
- わずか1カ月
- 習近平・プーチン・トランプの相互関係 トランプはウクライナ問題解決後、対中攻撃を考えているのか?
- Food Security, Rural Revitalization, and the Unfinished Missions of Agricultural Reform in China’s 2025 No. 1 Document
- 史上最大のディール! ウクライナ停戦「米露交渉」案は習近平の「トランプへのビッグプレゼント」か?
- 「習近平に助けを求める」ゼレンスキー ウクライナを外した米露会談を受け