※この文章は7月7日の<China’s Continuing Discomfort>の翻訳です。
イラン
数カ月前のこのコラムで、長年続いてきた規範や外交の基本姿勢がトランプ大統領の無作法かつ神経を逆なでする流儀により覆され、中国が不安と不満を強めていることを取り上げた。それ以降も、トランプ氏は文字通りやりたい放題、言いたい放題で、大統領の権力をふりかざすリアリティショーが日々続いている。トラ……
巷では、習近平失脚説あるいは早期引退説が流れている。その根拠として、
根拠1:BRICS首脳会議を欠席したくらいだから健康状態が良くない
根拠2:中共中央軍事委員会委員の欠員は習近平弱体化の象徴
根拠3:「中共中央政策決定議事協調機構工作条例」を審議することにより習近平自身の権力を制限
などが挙げられている。この説を象徴するような番組が日本で報道されているのをネットで知った。7……
7月7日は盧溝橋事件の日だ。1937年7月7日に北京の西南方向にある盧溝橋において日本軍と中国国民党軍との間で起きた衝突事件で、中国では「七七事変」と呼ぶ。今年は抗日戦争勝利80周年であることから、習近平国家主席としては抗日戦争に関わる行事を最優先として動いている。
そのため日程が重なってしまったBRICS首脳会談を欠席したのだが、どうやら日本には、たとえば<中国・習近平、BRICSサミット欠席……
Iran
A few months ago this column raised the issue of China’s growing discomfort in a world where long standing norms and basic diplomatic civility were upended by President Trump’s brash and abrasiv……
7月4日、ニューヨーク・タイムズはHow Trump’s ‘Big, Beautiful Bill’ Will Make China Great Again(トランプの「大きく美しい法案」は、いかに中国を再び偉大にさせるか)という見出しの報道をした。それによればこれほどまでにアメリカを傷つける「自傷行為」は考えられないほどで、世界でこの法案可決を喜んでいるのはアメリカの共和党と中国共産党だけだろう……
6月21日、ドナルド・トランプ大統領は戦争相手国ではないイランの地下核施設をいきなり爆撃した。国際法違反であることを責める声は小さく、これによりイスラエル・イラン戦争が停戦したとして誇らしげだ。
しかし高濃度ウランや遠心分離機などの被害は大きくなく、イランは半年もすれば核開発に再着手するだろうと言われている。そうなると再度のイラン爆撃をトランプはすると言っているが、それで「停戦」が維持できるかと……
アメリカのドナルド・トランプ大統領はイランの地下核施設への爆撃を、日本への原爆投下と比較しながら、「広島の例は使いたくない。長崎の例も使いたくない。しかし、本質的には同じことだ。あれが、あの戦争を終わらせたのだ」と正当化した。6月25日、NATO首脳会議が行われているオランダ・ハーグでの記者会見でのことだ。
日本が戦争を起こしたことはまちがいのない事実ではあるが、広島・長崎に原爆を落とされたこと……
トランプ大統領がイランの核施設を爆撃した。あれだけウクライナ戦争はバイデンが起こしたと断罪して戦争を嫌ったはずのトランプが、なぜ自ら軍事力で他国の主権を侵害する道を選んだのか?
イランはどのようなことがあっても、最終的には復讐の決意を強めるだろう。
トランプにとって最も大きな痛手となり得るのは、IAEA(International Atomic Energy Agency=国際原子力機関)が爆……
トランプ大統領がイスラエルを支援してイラン攻撃に参加するか否かに関して世界の関心が集まっている。習近平国家主席はプーチン大統領と電話会談をして「外交努力を」と通り一遍のことを言うのがせいぜいのところだろうと思う人が多いだろうが、どうやら、とんでもない「手」を打っているようだ。
先のインド・パキスタン戦争で、「トランプが停戦をさせた」ような話が出ていたが、実はインドが使ったフランス製の戦闘機が、パ……
雑音にまみれたシグナル
「トランプ氏の発言は、言葉どおりかどうかは別として常に真剣だ。」「すでに発表されている政策をころころ変えるのは些細な雑音のようなもので、その裏に明確なシグナルが隠されているのだ。」トランプ氏の支持者や擁護者はそう口をそろえる。トランプ政権の中国への対応にも、こうしたもっともらしい説明が当てはまるのだろうか。トランプ氏のチームによると、中国に対する145%の追加関税は決して……
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