一、米中貿易戦争の一時停止は、更にハイレベルの「金融戦争」と「技術戦争」の始まりに過ぎない。
本サイトでの記事でも述べたように、米中貿易戦争は緩和し、更に休戦になる。なぜならば米中貿易戦争の結果は必ず共倒れになるため、米国の貿易の失敗をトランプが望むはずはなく、また2020年選挙の前にそのような事態を起こしたくないはずだからでもある。筆者の見解では、これは戦争の間の短い休憩でしかなく、米国の長期的な戦略利益とトランプの性格を考慮すると、再戦をいつ始めてもおかしくはない。休戦しても、米中貿易戦争の幕が下りたと見なすことはできないであろう。なぜならば、貿易戦争は米中の駆け引きの低レベルな幕開けでしかなく、高レベルな「金融戦争」と「技術戦争」という「灰色のサイ」はすでにやって来ているからだ。
米中金融戦争の長期的な戦略的目標は以下のようになるだろう。
米国はドル覇権の地位を守りたい。一方、中国の短期的な目標は人民元のグローバル化、即ち世界通用の貿易通貨、投資通貨及び準備通貨となることである。そしてできるだけ早めにドルと対等な関係を築き、最終的に非中央集権的な、デジタル化の、世界各国の経済実力及び貿易量に基づく世界通貨の一部になることである。
二、オフショア金融エコシステムの戦略的布陣
人民元のグローバル化は、人民元を他の通貨と自由に交換できる状態を実現しなければならない。それは現在のところまだ弱い人民元にとって諸刃の剣である。人民元グローバル化の速度が早すぎると、ドル覇権の罠に陥る。しかしグローバル化をしないと、人民元は永遠に発展することができないであろう。現在、香港は中国の主要なオフショア金融チャネルであり、約60-70%の資金の流入と流出は香港を経由している。オフショア金融チャネルが単一であるため、香港は駆け引き相手の主要な攻撃対象となっている。2014の香港「占領中環」運動、そして今年の香港暴乱の裏には、香港のオフショア金融チャネルの重要性がある。そして中国が香港を中心としながら、香港に縛られないようなオフショア金融エコシステムを構築する原因でもある。
(一)中国が香港のオフショア金融中心の中核的地位を諦めることはできない
第一に、香港には制度の優位性がある。香港は「一国二制度」を導入し、資本主義制度を保留した。資本主義制度の香港は金融、貿易、経済、海運の要衝として、かけがえのない役割を果たしている。香港には健全な法制度があり、体系的に厳密で効率的な、国際慣行に沿った金融及び経済監督メカニズムがある。。また香港は柔軟で効率的な通貨調整システムがあり、適切で合理的かつ公正な競争ができる商業銀行と証券会社システムを所有している。長い間、香港の土地、株、債券そしてデリバティブの定義、登録、取引は完備な法律によって保証されてきた。香港の金融市場には、取引コストが低い、取引量が多い、取引のスピードが早い、そして多様な取引が柔軟にできる利点があり、金融市場の関連産業が発達している。700万強の人口しかない香港のGDPは、千万人口級の中心都市と比べることはできない。しかし2018年香港の貿易総額は1.2兆ドルで、米中貿易総額(6,335億ドル)の倍である。
第二に、香港には立地優位性がある。香港は東アジアの中心に位置し、東アジアのほとんどの都市まで飛行機で4時間以内に行ける。タイムゾーンもロンドン・ニューヨークの間にあり、3つの金融センターは、グローバル金融を24時間稼働させることができる。香港の背後には大陸があり、巨大な市場ポテンシャルを持っている。香港と大陸は2つの異なる金融システムであり、お互いを補完し、助け合い、交流することができる。
第三に、香港にはビジネス環境の利点がある。香港の税制は単純であり、税率も低い。だから中小企業の天国、起業者の楽園として知られている。香港資本の情報流通は迅速で、市場も開放的であり、自由で整然としている。さらに世界各地の専門家が集まっており、完璧なインフラ、独立した法制度など、多くの利点を持ち、大陸企業の海外進出の理想的なプラットフォームである。香港の資本市場の資金源と用途は香港に限られておらず、香港は実際的に、国際資本の中国に対する経済協力および投資の観測とアクセスの基地になっている。香港はずっと中国が対外金融関係を発展さえせ、国際金融市場に参入するための最前線基地である。
(二)香港のバックアップがあって、マカオもオフショア金融センターになる
1999年10月、マカオは「オフショア法」を公表し、香港の国際金融センターの地位を利用し、オフショア金融業を発展させようとしたが、法系が違うため採択されなかった。しかし現在、積極的に準備を進めている。最近、とある筋の情報によると、マカオ証券取引所の計画はすでに中央に提出され、その目標はマカオ証券取引所を人民元オフショア市場のナスダックに建設するとのことだ。マカオの一人当たりGDPは86,000ドルで、北京・上海・広州・深センをはるかに上回っている。
現在、中国の人民元ベースの中小イノベーション企業向けの、直接資金調達できるオフショア金融市場は存在しないが、マカオ証券取引所が設立されることになれば、このギャップを埋め、香港と並び立つようになる。機能的な観点から見ると、香港とマカオは両方とも中国のオフショア金融センターである。香港は世界の4つの主要な金融センターの1つであり、すべての金融業務に対応できている。マカオには、人民元が外に出るチャネルなどを構築する証券取引所を設立しようとしている。そして今後香港の金融ビジネスの一部を徐々に分担することになるであろう。
(三)上海、深セン、海南及びその他の15の自由貿易区は段階的にオフショア金融の第二、第三の階層となる
2013年上海自由貿易試験区の設立以降、中国の自由貿易区は現在、上海、広東省、天津、福建省、遼寧省、江蘇省、河南省、湖北省、重慶市、四川省、山西省、海南省、山東省、江蘇省、広西省、河北省、雲南省、黒龍江省の18ヶ所に増加した。そのうち、沿岸省は全て自由貿易区であり、自由貿易区がすべての沿岸省をカバーすることを実現した。中央が与えた権限と業務分類により、自由貿易区は大きく3つの階層に分類できる。コア層は一国二制度の特徴を持つ香港とマカオ、特に香港はコアの中核である。第二階層は中央からかなりの権限が与えられ、比較的に開放的である上海、深セン、海南省である。残りは第三階層を構成し、それぞれ明確な地域性を持っている。今後中国の自由貿易区は更に拡大し、まさに中国の全面的に開放する姿勢と決意を証明している。
三、米中金融戦争における戦略核ミサイル級の技術、ブロックチェーン
米国の上級軍事アナリストはこう考えている。中国がドル取引をバイパスし、オフショア金融業務を発展することは、世界を2つに引き裂き、「新しい冷戦」体制を形成するであろう。そしてブロックチェーン技術は2つのグローバル超大国間のハイテク戦争の新しい戦場となるであろう。日本のNHKが作ったドキュメンタリー番組「アメリカVS.中国“情報・金融・ハイテク覇権”に挑む中国」も、人工知能、ブロックチェーンなどの新興技術が米中貿易戦争において果たす重要な役割を客観的に示している。
米国がなぜ超大国であるのか? それは米国が情報技術、航空宇宙技術などの領域のコア技術を所有し、そしてドル覇権を握っているからだ。円は、かつて一度ドル覇権に挑戦するチャンスがあり、その後のユーロの登場もドル覇権にある程度揺さぶりをかけたが、米国の的確な攻撃により、ともに実質的にドル覇権に衝撃を与えることができなかった。そして現在、中国は今後数年間において、唯一米国の覇権に挑むことができる国だとみなされている。したがって、中国と米国の金融・技術戦争は避けられない。また貿易摩擦に注目し、米国のZTEとファーウェイに対する制裁を思い起こすと、米中の新しい科学技術イノベーション領域での戦争はすでに激化していることがわかる。
(一)中国のブロックチェーン利用は既に米国より一歩先んじている
米国は世界第一位の経済大国であり、特に世界の最先端技術においてはトップランナーであるが、ブロックチェーンの利用においては遅れを取っている。なぜならば技術の有効性を検証する試金石は、商業利用できるかどうかだ。そして米国の一部高度なブロックチェーン技術は市場の需要が不足しているため、まだ商業利用できずにいる。それに対して、中国は市場の需要が大きいため、ブロックチェーン特許技術が実際に利用される面において、米国より一歩先んじている。中国のブロックチェーン技術は米国と異なる独自路線を探っている。そして利用に関しては既に米国より進んでいる。
ブロックチェーン技術が最も広く、深く利用されている金融業から見よう。知的財産産業メディア「IPRdaily」と「incoPatイノベーティブインデックス研究センター」が共同で発表した「2017年グローバルブロックチェーン企業特許トップ100」によると、ランク入りした49%の企業が中国にあり、33%が米国にある。そして上位10社のうち中国企業7社に対して、米国は2社にとどまっている。中国のブロックチェーン技術の商業利用は米国よりはるかに先んじている。大手国有銀行以外にも、中国企業のアリババ、バイドゥ、テンセント、京東などのインターネット企業の参入も、金融分野におけるブロックチェーン商業利用の注目点となっている。例えば、全世界のブロックチェーン技術の特許出願数から見ると、アリババの特許出願数は90件であり、IBMを抜いて世界一位である。これらの特許は主に新しい小売業、物流、トレーサビリティなどの場合での利用に関係している。中国深センが開発した「RubyChain」は、スマートコントラクト、マルチチェーンの並列化、クロスチェーンの合意、ブロックチェーンにビッグデータの保存、ブロックチェーン以外のアプリケーションブロックの断片化保存、アプリケーションの高速移行などの運用メカニズムを提供し、パブリックチェーンで不可能だと言われている非中央集権的、拡張性、セキュリティのいいとこ取りをバランス良く網羅している。従来型の企業とインターネット企業に対して、ブロックチェーン技術の移植と利用に便利な機能を提供する。これによって、ブロックチェーンアプリケーションはWebアプリケーション開発と同じように、柔軟で迅速に、低コストかつワンストップで開発できるようになり、ブロックチェーンの商業利用を本格的に実現可能にし、中国は既にブロックチェーン技術の商業利用の新たな時代を切り開いた。
(二)中国ブロックチェーン研究は、米国と異なる独自路線を開拓している
ブロックチェーンが経済と金融の中核となるインフラの一つだとすれば、ブロックチェーン技術のコア技術をマスターできる人は、次の時代の情報技術のリーダーになれるであろう。ファーウェイとZTEが制裁される困難な状況を繰り返さないために、中国政府と市場はそれぞれの役割を果たし、米国と異なる独自路線を開拓する必要がある。政府が金融制度と金融管理を強化し、金融業のシステムリスクを防ぐと同時に、一定のフォールトトレラントを保留し、市場の有効性を発揮し、市場ができることを市場に委ねなければならない。
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中国はブロックチェーン技術に基づき、先にを発行する
先にデジタル通貨を発行することは、中国がドル通貨の世界覇権を変える重要なチャンスである。今のドル覇権のゲームルールの下では、中国人民元のグローバル化はかなり難しい。つまり人民元がドルを追い越すために、既存の道路を走っては無理であり、道を変えないと追い越すことができないのだ。先にデジタル通貨を発行することは、人民元のグローバル化の始まりである。法定デジタル通貨は従来の通貨と同じ国家主権に依拠する利点があり、同時にデジタル通貨の優位性も有している。ブロックチェーン技術に基づく法定デジタル通貨は、たとえローカルノードが故障しても、ネットワークの他のノードに分散された取引データは、資金の安全性を保証できる。分散型台帳、すべてのネットワークに接続する特性は、国際情勢の混乱に伴うリスクを回避でき、大国の駆け引きによる制裁を回避することができる。国家主権に依拠するため、マネーロンダリング、ハッキング、偽造、脱税などに対してもかなりの有効性を持っているであろう。
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ブロックチェーン技術に基づき、中国は米国の技術封鎖を突破し、人民元のグローバル化の独立路線を開拓できる
米国はインターネットの先駆者であり、すべてのIPv4ルートネームサーバは米政府管轄下のICANN(Internet Corporation for Assigned Names and Numbers)が管理している。ICANNは世界中のインターネットのドメインIPv4ルートネームサーバ、ドメインシステム及びインターネットプロトコルアドレスなどの管理をしている。世界中には13クラスタのIPv4ルートネームサーバしかない。うちクラスタは米国にあり、欧州の2クラスタはそれぞれスウェーデン(I)とオランダ(K)にあり、そしてアジアの1クラスタは日本(M)が管理している。極端なケースでは、米国は、特定の地域のインターネットを遮断させる能力を持っている。しかしブロックチェーンのP2Pベースの通信メカニズムは、実質的にICANNの管理をバイパスしている。加えてブロックチェーンには安全、機密性、オープンソース、グローバル化などの特性があるので、技術封鎖に対抗する有用な手段である。
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米中両国のブロックチェーン産業発展路線の差異
米中両国は技術研究の差、市場規模の差、利用の方向性の差があり、結果的にそれぞれ異なる路線を歩むことになった。中国のブロックチェーン技術の中核は実体経済に奉仕し、金融、医療、司法、工業、メディア業などの分野での利用を探っている。対して米国はゲーム、ギャンブル、取引所などのデジタル資産の取引とデジタル通貨の流通に力を注いでいる。ブロックチェーンの歴史は10年しかないが、米中の路線は既に別の道を進んでいるようだ。近年のブロックチェーンの商業利用を見ると、米国は口先だけで、実際JPモルガン、FACEBOOK、マイクロソフトなどのブロックチェーンネイティブプロジェクトはほとんどまだ開発中で、実体経済まで利用されるプロジェクトはほとんどない。米国のブロックチェーン利用はまだ「暗号通貨」を中心に空回りしている。それに対して中国のブロックチェーンプロジェクトは、加速度的に実現している。中国のテンセント、アリババ、迅雷、バイドゥ、京東のブロックチェーン大手5社、加えてファーウェイ、万向、衆安、WeBank 微众银行、平安壱帳通などの大手企業からも、大量のブロックチェーンの実際利用ケースが現れている。(詳細は互鏈脈搏研究院のデータベース参照)
ブロックチェーン応用の実現は、中国ブロックチェーン技術を発展させる。迅雷ブロックチェーン、バイドゥスーパーチェーン、アントブロックチェーン、平安壱帳通等はそれぞれ独自のブロックチェーン技術を開発し、性能、使いやすさ、拡張性は既に世界トップレベルに達している。技術面でも、中国は独自の技術体系を有している。『フォーブス』は「中国のブロックチェーンは画期的な優位性を実現した?」という記事を掲載し、迅雷ブロックチェーンなど中国のブロックチェーン技術の世界における優位性を紹介した。互鏈脈搏研究院のデータベースによると、2019年第1四半期ブロックチェーンの利用事例は中国78件に対して米国26件である。利用事例に触発され、中国のブロックチェーン特許出願数も世界一である。INNOJOYの集計によると、中国のブロックチェーン特許出願数は7639件に対して、米国は1551件でしかない。(出典:互鏈脈搏INNOJOY 2019年5月21日まで)
学術研究では、2016年から、中国の学界は既にビットコイン研究からブロックチェーン研究に移行した。EIデータベースのブロックチェーン論文の数を見ると、上位10機関のうち、4つはヨーロッパ、残りは米国、中国、オーストラリアに位置している。CNKIの国内データベースのブロックチェーン論文の数を見ると、中国の論文は一位であり、そして上位10機関のうち、3つは中国の国有銀行である。つまり国有銀行はブロックチェーン技術の研究にかなり重視しているであろう。
四、ブロックチェーンのイノベーションが直面する課題とその動向
(一)ブロックチェーンのイノベーションが直面する課題
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ブロックチェーン技術のフレームワーク自体はまだ未熟である
ブロックチェーンは生まれてからわずか10年しか経っておらず、ほとんどの技術と比べてまだまだ初期段階にあり、拡張性と効率は改善が必要で、ビジネスモデルも更に改善する必要がある。現時点では、まだ多分野分散型アプリケーション(DAPP)の大規模な商業利用に耐えることができない。同時に、秘密鍵の暗号化、スマートコントラクト、シャード、クロスチェーン、サイドチェーンなどの主要技術、DAG、DPOSなどの合意形成アルゴリズムとインセンティブ設計はまだ試運転の段階でしかなく、ブロックチェーンはまだプログラムやコードの抜け穴の改善が必要としている。
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インフラ整備と規模化はまだ足りない
ブロックチェーンの正常な動作には、同期の最適化とリアルタイム変換など多くの問題を伴っている。ブロックチェーンに情報を記録するには、複数の関係者の参入とデータ同期を必要としている。現状では、ハードウェアとソフトウェアの構築はまだ時間がかかり、超大容量のブロックチェーンストレージシステムはまだ実現が困難である。同時に、ブロックチェーン技術の特性を従来型産業と結びつけるには、従来型産業のデジタル化、ネットワーク化、知能化を伴う必要があり、これも一朝一夕に達成できるものではない。大規模な利用にはまだ時間がかかる。
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業界の監督管理メカニズムはまだ改善の余地がある
ブロックチェーンの非中央集権的、仲介が不要な特性により、業界の監督管理が更に困難となり、その技術的特性によって、特定の個人または組織が所有し管理することができなくなる。たとえ法律でブロックチェーンの組織またはプロジェクトの創立者が予測可能な損害の連帯責任をすべて負わなければならないと決めても、創立者が匿名または多数であるため、責任者を特定できない可能性が残っている。
(二)ブロックチェーンの今後の動向
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ブロックチェーンの既存の産業規模は巨大であり、そして高い成長率を維持している
世界的に見ると、ブロックチェーン産業には十分な推進力を持っている。ブロックチェーンの利用ケースは最初のデジタル通貨とマイニングマシンの生産から金融サービス業へ広がり、更にサプライチェーン、デジタル著作権、食品トレーサビリティなど多くの分野に浸透している。中国電子学会の集計によると、2017年世界のブロックチェーン産業規模は52億ドル、2018年は78億ドル、そして2019年の予測は120億ドルであり、2013年から2019年までの年間平均成長率は60%を超えている。
中国を見ると、ブロックチェーン産業にはまだまだ上昇の余地がある。インターネット大手の継続的な投資と新興テクノロジー企業の積極的な参入により、そして巨大な潜在市場があるため、ブロックチェーン産業は2-3年の短い期間で、現在の産業のすべての段階をカバーする準備ができている。ブロックチェーンを主要事業とする数百の企業は上流産業のハードウェア製造、プラットフォームサービス、セキュリティサービスから下流産業の産業技術応用サービス、そして産業の発展を支える投資と資金調達、メディア、人材サービスなど複数の段階を全部カバーしている。
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ブロックチェーン産業には開拓の余地が大いにある
まずは、金融業での利用から、経済・社会の多分野、大規模、産業化への利用へ移行すること。かなりの数のブロックチェーン基盤は、ジャード、クロスチェーン、サイドチェーンなどの技術を利用し、商業利用レベルの高性能ソリューションの提供に専念している。米国、ドイツ、オランダ、シンガポールなどの国は既にブロックチェーンに基づき、物流追跡、生産製造、エネルギー決済、チャリティ管理などの多方面にわたる利用を展開している。
つぎに、ブロックチェーン、ビッグデータ、人工知能、モノのインターネットに代表される次世代の情報技術が体系的に、全体としてシナジーして、融合する傾向を示している。物理世界とデジタル世界の融合を実現すると、データと情報が信頼できる相互接続に基づき、使用価値と交換価値を持つことになる。
最後に、ブロックチェーンは高速な、智能な、汎用的、安全かつ統一な次世代情報インフラを構築することになる。電子手形、資産信託、物流輸送、食品医薬品安全トレーサビリティ、デジタルコンテンツの著作権などの分野におけるブロックチェーンの利用は、最終的に異なるタイプのユーザに対してより高速、より安全、より互換性が高い、より効率なサービスを提供することになるだろう。
中国の将来のブロックチェーン産業は、基礎理論と技術研究に力を注ぐ。特にブロックチェーンストレージ、暗号化、合意形成、クロスチェーンなどの主要技術の研究開発と応用を支援し、ブロックチェーン技術の学際的基礎研究と応用研究を促進し、インフラ構築を加速させる。5Gとブロックチェーンの融合を加速させ、国のパブリックチェーン、業界団体のブロックチェーンなどR&Dプラットフォームを試験的に推進し、ブロックチェーンの効率と実用性を高め、業界の応用レベル重点的に高める必要がある。中国政府はデジタル通貨取引の管理政策の検討を加速させるであろう。そしてブロックチェーン技術に基づく中国のデジタル通貨とオフショア金融事業には明るい未来があると、筆者は信じている。
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