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両岸関係の舵取りに徹した蔡総統の外交戦略を総括する
Taiwan's President Tsai Ing-wen
Taiwan's President Tsai Ing-wen

はじめに

台湾、蔡英文総統のリーダーシップは、特に中国本土との関係においてダイナミックに入り乱れる困難とチャンスで特徴づけられる。在任期間を歴史的観点から評価したとき、台湾の両岸政策(対中政策)に対するアプローチは、彼女の足跡の特に重要な側面と言えるだろう。蔡総統は在任中、台湾の主権や民主主義の原則、そして安全保障上の利益をしっかりと守りながら、中国本土との関係を舵取りするという複雑極まる課題に取り組んできた。

本論では、台湾の主権護持、外交の多角化、経済的レジリエンスの促進、国防および安全保障の強化という、蔡総統の対中政策の柱となる4つの要素について深堀して考えたい。4つの要素を個別に詳しく分析しながら、習近平主席指導下の中国の軍事・経済力というより広範な背景を踏まえて、これらの要素の意義について考察する。

さらに、台湾の主権護持、外交関係の拡大、経済的適応力、国家安全保障の強化といった重要分野に焦点を当てながら、蔡総統の対中政策の長短について総括する。これらの側面を掘り下げることで、蔡英文総統が両岸関係を巧みに調整し、台湾の将来の方向性を確立する上で直面した成果と課題について、包括的理解を深めることを目指していく。

台湾の主権護持

台湾の主権護持には、中国本土からの圧力や脅威にさらされる状況で島の自治と民主主義的価値観を守るという側面が含まれる。蔡英文総統は台湾の主権護持について毅然とした態度を取り、中国本土による「一国二制度」の枠組みを退ける一方、台湾の民主主義の原則と自決権の重要性を強調してきた。

習近平指導下の中国は、アジア太平洋地域全体で軍事力を大幅に増強し、その威力を誇示している。中国政府が台湾を自国領土の不可欠な一部とみなし、統一のため武力行使をも辞さないことを考えるに、中国本土からの軍事的侵略を未然に防ぐには、台湾の主権護持が絶対不可欠となる。

習近平主席が「中国の夢」と「中華民族の偉大な復興」のビジョンについて熱弁していることで、台湾に対する中国政府の思惑を懸念する声が高まっている中国が軍事力を急速に増強している現状において、地域の安定を維持し、中国政府による強制的な台湾併合の動きを阻止するために、台湾の主権護持がいよいよ不可欠なものとなっている。

台湾の主権は、その経済的繁栄や国際的地位と複雑に絡み合う形で維持されている。台湾の自治が損なわれることになれば、台湾の経済や外交関係を根底から変えることになりかねないため、中国本土からの圧力が高まる状況において台湾の主権と民主主義的価値観を堅持することが、蔡総統にとって急務となった。

台湾の主権について蔡総統が確固たる姿勢を維持する、これこそが同政権の対中政策の要の役目を果たしてきた。中国本土が提唱する「一国二制度」モデルを否定することで、総統は台湾の民意を擁護し、台湾民主主義の理念を守ってきた。中国政府からの圧力がエスカレートするなか、台湾の自決権とアイデンティティを守った確固たる主権護持の姿勢は称賛に値する。

蔡総統のアプローチは、台湾民主主義の原則への変わらぬ支持を軸としたものだ。在任中、一貫して民主主義と人権の重要性を力説したその声は、苦労して獲得した自由を大切に守り、それが脅かされるとなれば激しく反発してきた台湾の人々の心に深く響いた。

さらに、台湾主権を貫く毅然とした姿勢は台湾の国際的地位を高め、国際社会との連帯を獲得することにもつながった。台湾の自決権を断固として主張することにより、世界の舞台で台湾の認知度を高め、国際社会の責任ある一員としての地位を強化した。

しかし、主権護持を貫く蔡総統の姿勢は、中国本土との緊張と政治的軋轢を高めるものでもあった。中国政府は台湾を従順ならざる自国領土とみなしており、「一つの中国」という原則に従うよう蔡政権に対して執拗に圧力をかけ続けてきた。結果、両岸関係は緊張を高め、言葉による応酬や断続的な軍事演習が双方で行われることとなった。

批評家たちは、蔡総統がいわゆる「1992年コンセンサス」(双方とも「一つの中国」の存在を認めつつ、その解釈は各自で異なるとする合意)を認めようとしないことが、両岸関係改善の努力の妨げとなっていると主張する。蔡総統がこの枠組みを否定することにより、中国政府との有意義な対話と交渉を妨害し、緊張を高め、台湾海峡における紛争リスクを高めている、というのが彼らの言い分である。

蔡総統の揺るぎない主権擁護の姿勢は、国際舞台における台湾の外交的孤立をも招いてきた。中国本土の影響力が急上昇していることで、中国との関係を密にするべく、多くの国々が台湾との外交関係を断つこととなった。こうした外交的孤立によって、台湾が国際社会と関わり、差し迫ったグローバルな課題に対処する力が抑制される結果を招いている。

外交の多角化

台湾において外交の多角化とはすなわち、中国本土の外側への国際関係拡大、そして、民主的な同盟国や志を同じくする国々との関係強化を伴うものとなる。蔡総統が推進する「新南向政策」は、アジア太平洋地域にとどまらず、南アジア、東南アジア、それ以外の地域の国々との関係強化を目指している。

中国の経済的・政治的影響力の増大は、台湾の国際的地位と外交関係を脅かす大きな障壁となる。中国政府は台湾の外交的孤立を促さんと積極的に動いており、中国本土との関係を密にする代わりに台湾との関係を断絶するよう各国に圧力をかけている。

こうした状況において、台湾が中国の強圧的な戦術による影響を弱め、国際舞台で確固たる存在感を維持するためにも、外交の多角化が不可欠となる。民主的な同盟国や志を同じくする国々との関係を深めることで、台湾は外交面でのレジリエンスを強化し、中国本土の圧力戦術に対する脆弱性を軽減できるようになるだろう。

台湾が経済面でチャンスを拡大し、地域の安定と繁栄を促進させるためにも、外交の多角化は不可欠である。アジア太平洋地域諸国との経済的・文化的交流をより緊密にすることで、台湾の経済的レジリエンスは向上し、地域全体の発展と繁栄にも貢献できるだろう。

習近平主席が、中国が世界で指導的役割を果たすことを目指し、「一帯一路」構想を重視している以上、台湾外交を多角化することはもはや必然である。中国がアジア太平洋地域、さらにはその先の地域でも影響力を拡大しようとしている今、台湾は国際社会と積極的に関わり、グローバルな舞台で自国の価値観と利益を主張していかなくてはならない。

台湾が外交的孤立に追い込まれようとする状況で、蔡政権は対中国本土以外へと外交関係の多角化をはかるという積極的な戦略を推進してきた。「新南向政策」によって、台湾は国際的な交流範囲と影響力を拡大することに成功した。米国、日本、欧州諸国などとの関係を緊密にすることで、台湾は外交的なレジリエンスを高め、中国本土の圧力戦術に対する脆弱性を軽減させてきた。

国際社会と台湾の関わりを深めようとする蔡総統の努力は、台湾の価値観と利益をグローバル規模で推進するものとして広く称賛を集めている。世界保健総会(WHA)などの国際会議や国際民間航空機関(ICAO)といった組織への参加は、外交的な困難にもかかわらず、国際社会に貢献しようとする台湾の真摯な姿勢の表れである。

だが、台湾の国際的地位を弱めようとする中国本土の働きかけもあって、蔡総統の多角化戦略は大きな困難に直面した。中国政府は経済的・政治的影響力によって各国に圧力をかけ、台湾との外交関係を断絶させて台湾の外交的苦境を悪化させている。

批評家たちは、蔡総統の多角化戦略は台湾の外交的課題に対して効果を発揮できておらず、台湾の国際的認知度の実質的向上にもつながっていないと主張する。民主的な同盟国との関係を深めようと努力してはいるものの、台湾は依然として外交面での障害に阻まれ、重要な国際会議や組織から排除された状態が続いている。

これに加えて、蔡総統の多角化戦略は両岸関係に緊張をもたらし、台湾海峡における衝突リスクを高めている。中国政府は、台湾が国際的なプレゼンスを拡大しようとする姿勢を中国主権への挑戦とみなし、中国の権威に抗おうとするあらゆる動きに警戒している。

経済的レジリエンス

経済的レジリエンスとは、両岸関係の変化や世界経済の不確実性など、台湾が外的な衝撃や混乱を耐えしのいで発揮できる回復力を指す。蔡政権はここまで、台湾の中国本土への依存度を低下させて長期的な経済的安定性を強化するため、経済の多角化を推進し、イノベーション主導による成長を促すことを優先させてきた。

世界経済において中国が台頭し、アジア太平洋地域で中国がさらに声高な主張を行うようになった状況は、台湾の経済状況に困難とチャンスの両方をもたらしている。中国本土は台湾にとって主要な貿易相手であり、重要な投資元であることに変わりはないが、経済的相互依存が高まればそれだけ、中国政府主導による貿易紛争、投資制限、市場アクセス障壁などのリスクにさらされることになる。

このような状況にあって、台湾が複雑な両岸関係を巧みにさばき、中国が経済的に圧倒的な強さを見せるなかで経済的競争力を維持するためには、経済的レジリエンスが極めて重要なものとなるだろう。経済の多角化とイノベーション主導の成長を推進することで、台湾は中国本土への依存を減らし、手つかずだった市場や急成長産業の開拓に乗り出せるようになる。

また、台湾が賃金の伸び悩み、生活費の高騰、貧富の格差の拡大など、国内に山積する課題に対処する上でも経済的レジリエンスが不可欠である。ダイナミックかつ包括的な経済を醸成すれば、台湾は社会の安定と繁栄を強化し、経済的利益を社会全体に公平に分配できるようになるだろう。

習近平主席が経済発展を重視し、中国が世界経済への影響力を拡大させていることで、台湾における経済的レジリエンスの重要性が高まっている。中国がアジア太平洋地域、さらにはその先の地域でも経済的な影響力を拡大しようとしているなか、台湾は経済的基盤を強化し、持続可能かつ包括的な成長を促進して、グローバルな舞台での競争力を維持する必要に迫られている。

蔡政権は台湾の中国本土への経済的依存度を低下させ、経済の多角化とイノベーション主導の成長を強化する戦略を積極的に推進してきた。こうした努力は、台湾の長期的な経済的レジリエンスを強化し、両岸関係の混乱に対する脆弱性を緩和するものとして高く評価されている。

蔡総統が推進する経済政策の要となるのが、外資を呼び込み、起業家精神とイノベーションを刺激する力である。バイオテクノロジー、情報技術、再生可能エネルギーといった重要分野への投資を通じて、台湾は新興産業のトップランナーとしての地位を確立し、伝統的な製造業や輸出への依存度を低下させている。

蔡英文政権はさらに、中小企業やスタートアップ企業を支援するための取り組みを実施し、よりダイナミックで包括的な経済の醸成に努めている。起業家精神とイノベーションを育むことで、台湾はグローバルな舞台での競争力を強化し、この先の持続的成長に備える態勢を整えてきた。

それでもなお、蔡総統の経済戦略は、台湾の市場参入を抑制し、両岸の経済関係を混乱させようとする中国本土の動きによって困難な道を歩むことを余儀なくされた。中国政府は、蔡総統が「一つの中国」という原則を支持しないことに対して、両岸貿易や投資の制限などの懲罰的な措置を課してきた。

蔡総統の経済政策は台湾経済の脆弱性に十分に対処できておらず、台湾経済の見通しを大きく向上させることはできなかったと批判の声が上がっている。経済の多角化とイノベーションの推進に努めてきたにもかかわらず、台湾は賃金の伸び悩み、生活費の高騰、貧富の格差の拡大といった課題に直面している。

これに加えて、蔡総統の経済イニシアティブは両岸関係に緊張をもたらし、台湾海峡における衝突リスクを高めている。中国政府は、中国本土への経済的依存度を下げようとする台湾の姿勢を中国の権威に対する挑戦とみなし、中国の主権を損なおうとするあらゆる動きを警戒している。

国防および安全保障の強化

国防と安全保障を確固たるものとするには、中国大陸からの侵略を未然に防ぎ、台湾海峡の平和と安定を維持するため、台湾の軍事力と戦略的パートナーシップを強化する必要がある。蔡政権は、台湾の防衛力を強化し、米国など主要同盟国との協力関係を深めることに重きを置いてきた。

アジア太平洋地域において中国が軍事力の近代化を急速に進め、さらに声高な主張を行うようになった状況は、台湾の安全保障と安定にとって大きな脅威となっている。中国政府は軍事費を大幅に増大させて海・空の軍事力拡大に動いており、台湾に対する思惑をめぐって懸念を呼んでいる。

こうした状況において、中国大陸からの軍事的侵略を未然に阻止し、台湾海峡の平和と安定を守るためにも、防衛力と安全保障の強化が台湾にとっては極めて重要となる。先端兵器に投資し、サイバーセキュリティ上の防御力を強化し、重要な同盟国との連携を深めることで、台湾は抑止力の強化と安全保障上の利益保護を実現できるだろう。

中国本土からの圧力が高まるなか、台湾が主権と民主主義の理念を維持していくためには、防衛と安全保障の強化が不可欠である。確固たる防衛体制を維持し、志を同じくする国々との協力を促進することで、台湾は自決権と価値観を守るという姿勢を強調し、主権を損なおうとする中国政府の目論見を抑止することができるだろう。

習近平主席が「中華民族の偉大な復興」を提唱し、中国が軍事力を急激に拡大させていることで、台湾における防衛と安全保障の重要性が改めて浮き彫りになった。中国がアジア太平洋地域における軍事的プレゼンスを強化し、台湾海峡における優位性を主張しようとする状況にあって、台湾はこれからも地域の平和と安定を維持するため警戒を怠らず、防衛能力に投資せざるを得ない。

蔡政権は台湾の防衛力を強化し、重要な同盟国、特に米国との連携を深めることを優先してきた。このアプローチは、台湾の安全保障上の利益を守り、中国本土からの侵略を未然に阻止しているという点で高い評価を得ている。

蔡総統が推進する国防政策の要となるのが、中国本土からの軍事的脅威が高まるなかで、台湾の自衛能力とレジリエンスを強化する力である。先端兵器への投資、サイバーセキュリティの強化、非対称戦争における戦力強化により、台湾は潜在的脅威への対抗力を強化してきた。

蔡政権はこれに加えて、「台湾関係法(Taiwan Relations Act、TRA)」と「六つの保証(Six Assurances)」を軸に米国との関係を深めてきた。この戦略的パートナーシップは台湾の防衛態勢を強化し、先進的な軍事技術や訓練へのアクセスを可能にし、台湾海峡における抑止力の強化につながった。

しかし、中国本土が軍備を近代化し、アジア太平洋地域における存在感を高めようとしていることで、蔡総統の国防政策は困難に直面している。中国政府はこれまで、台湾海峡で中国主権に抗おうとするあらゆる動きを警戒し、台湾との統一を達成するため必要であれば武力による威嚇も行ってきた。

蔡総統の国防政策は台湾海峡での衝突リスクをエスカレートさせ、両岸関係を改善しようとする努力の妨げとなっているという批判がある。中国政府は、台湾による防衛力強化の動きを中国主権への挑戦とみなし、中国の権威に抗おうとするあらゆる動きを警戒している。

さらに、蔡総統の国防政策は中国本土との関係を緊張させ、台湾海峡での軍事的緊張を高めるのではないかという懸念を招いた。地域の平和と安定を守ろうとする努力にもかかわらず、台湾と中国本土の緊張関係は続いており、台湾海峡における紛争と不安定化のリスクが高まる事態となっている。

まとめ

蔡英文総統が絶妙なバランス感覚で進めてきた対中政策は、成果と課題の両方を残した。任期を通して、一貫して台湾の主権と民主主義の原則の護持に努め、島の自治権とアイデンティティを守り抜いたその手腕に賞賛が寄せられている。しかしその一方で、強硬な姿勢がもとで中国本土との緊張と政治的対立が高まる結果にもなった。

また、台湾外交の多角化と経済的レジリエンスの強化を目指した蔡総統の努力は称賛に値するものであり、台湾の国際的地位と経済的競争力の向上につながった。ただ、中国本土からの圧力を受ける状況において、その道は並々ならぬ困難を伴うものであった。

蔡総統の任期を歴史的観点から評価したとき、台湾の両岸政策に対するアプローチは、紛うこと無く彼女が残した遺産の最たる部分と言える。台湾のこの先の未来と、中国本土との関係を決定づける重要な道筋となるだろう。これからも台湾は絶えず変化する地政学的状況において、複雑な両岸関係の舵取りを迫られることとなる。主権護持の方向と中国と関わる機会を追及する方向、2つの微妙なバランスを取ることが台湾の安全と繁栄を確保する鍵となるのである。

陳建甫博士、淡江大学中国大陸研究所所長(2020年~)(副教授)、新南向及び一帯一路研究センター所長(2018年~)。 研究テーマは、中国の一帯一路インフラ建設、中国のシャープパワー、中国社会問題、ASEAN諸国・南アジア研究、新南向政策、アジア選挙・議会研究など。オハイオ州立大学で博士号を取得し、2006年から2008年まで淡江大学未来学研究所所長を務めた。 台湾アジア自由選挙観測協会(TANFREL)の創設者及び名誉会長であり、2010年フィリピン(ANFREL)、2011年タイ(ANFREL)、2012年モンゴル(Women for Social Progress WSP)、2013年マレーシア(Bersih)、2013年カンボジア(COMFREL)、2013年ネパール(ANFREL)、2015年スリランカ、2016年香港、2017年東ティモール、2018年マレーシア(TANFREL)、2019年インドネシア(TANFREL)、2019年フィリピン(TANFREL)など数多くのアジア諸国の選挙観測任務に参加した。 台湾の市民社会問題に積極的に関与し、公民監督国会連盟の常務理事(2007年~2012年)、議会のインターネットビデオ中継チャネルを提唱するグループ(VOD)の招集者(2012年~)、台湾平和草の根連合の理事長(2008年~2013年)、台湾世代教育基金会の理事(2014年~2019年)などを歴任した。現在は、台湾民主化基金会理事(2018年~)、台湾2050教育基金会理事(2020年~)、台湾中国一帯一路研究会理事長(2020年~)、『淡江国際・地域研究季刊』共同発行人などを務めている。 // Chien-Fu Chen(陳建甫) is an associate professor, currently serves as the Chair, Graduate Institute of China Studies, Tamkang University, TAIWAN (2020-). Dr. Chen has worked the Director, the Center of New Southbound Policy and Belt Road Initiative (NSPBRI) since 2018. Dr. Chen focuses on China’s RRI infrastructure construction, sharp power, and social problems, Indo-Pacific strategies, and Asian election and parliamentary studies. Prior to that, Dr. Chen served as the Chair, Graduate Institute of Future Studies, Tamkang University (2006-2008) and earned the Ph.D. from the Ohio State University, USA. Parallel to his academic works, Dr. Chen has been actively involved in many civil society organizations and activities. He has been as the co-founder, president, Honorary president, Taiwan Asian Network for Free Elections(TANFREL) and attended many elections observation mission in Asia countries, including Philippine (2010), Thailand (2011), Mongolian (2012), Malaysia (2013 and 2018), Cambodian (2013), Nepal (2013), Sri Lanka (2015), Hong Kong (2016), Timor-Leste (2017), Indonesia (2019) and Philippine (2019). Prior to election mission, Dr. Chen served as the Standing Director of the Citizen Congress Watch (2007-2012) and the President of Taiwan Grassroots Alliance for Peace (2008-2013) and Taiwan Next Generation Educational Foundation (2014-2019). Dr. Chen works for the co-founders, president of China Belt Road Studies Association(CBRSA) and co-publisher Tamkang Journal of International and Regional Studies Quarterly (Chinese Journal). He also serves as the trustee board of Taiwan Foundation for Democracy(TFD) and Taiwan 2050 Educational Foundation.